ブックワームのひとりごと

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下ネタ大好きなイタリア語通訳が自分の仕事について語る 田丸公美子『パーネ・アモーレ イタリア語通訳奮闘記』感想

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パーネ・アモーレ イタリア語通訳奮闘記 (文春文庫)

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あらすじ

下ネタエロネタ大好きのイタリア語通訳、田丸公美子。彼女が接するイタリア人は、一癖も二癖もある人ばかりで……。通訳という仕事について、イタリアという異文化について語るエッセイ。

 

イタリアの見えない地下経済

面白かったのが、イタリアの「地下経済」について。

イタリアの地下経済は表に出ている実質経済指標の半分くらいまでと言う人がいるが、事実そうでもなければ失業率10パーセント以上で、あのようなゆとりのある生活ができるはずはない。

と始まり、イタリア人がいかに届け出を出さず、労働の物々交換で生きているかが語られます。どう考えても違法なんですが、これがイタリア人の生きる道ならばなんとも言えない……。

イタリア=貧しい国というイメージがあったから、「そういう生き方もあるのか」と驚きました。

普通に生きていると実感がないけれど、海を一つ越えればまったく違った倫理観があるんですよね。海外についてのエッセイは、そういうギャップを感じられるから面白いです。

 

不倫に寛容な社会

あと、イタリアの不倫に寛容な社会が面白かったです。

男女どちらであれ、ちょっと浮気をするくらいなら、スキャンダルというほどでもないのがすごいです。

そしてあれだけ不倫に寛容なのに、離婚するとなると面倒くさい手続きの連続なのが謎ですね。宗教と愛は別物なんでしょうか。

こうして文章で読む分には面白いんだけど、私は口説くのが礼儀だと思ってる男嫌いだから、イタリアに生まれなくてよかったと思います。

しかし読んでいて、「そんなに顧客のプライベートばらしていいのか?」という気持ちになります。ちょっと昔の本だから、当時は気にしなかったのかもしれませんが。

 

まとめ

文化のギャップを感じられて面白かったです。イタリア、面白い国だなあ。

また気が向いたら著者の本を読んでみたいと思います。