ブックワームのひとりごと

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きょうだいたちの毒親からの自立 山中恒『ぼくがぼくであること』感想

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『ぼくがぼくであること』を読みました。

Amazonのおすすめ欄に出てきたので読んでみた一冊です。

ぼくがぼくであること (つばさ文庫)

ぼくがぼくであること (つばさ文庫)

 

 あらすじ

教育ママで過干渉な母親に悩まされている秀一は、勢いに任せて知らない軽トラックに飛び乗り、家出を決行。そこで出会った少女と老人に泊めてもらい、夏休みを過ごしますが、家に帰っても問題は山積みのようで……。

70年代の毒親

お母さんの執念が怖くて、結構読み進めるのにどきどきはらはらしました。毒親っていうのは最近出てきた言葉ですが、昔からこういうお母さんに悩まされる子どもたちはいたんでしょうね……。名前がつくことでいろいろ対策で着ることもあったのでしょう。

お母さんはアレなんですが、秀一はじめきょうだいたちが自立して自分の人生を生きていこうとする展開なのでそこは安心しました。みんな強く生きてほしいものです。マユミも人生長いからまだまだやれることはあるよ!

その分最後まで子離れできないお母さんの今後が心配です。彼女は話の中では悪役なんですが、子どもたちのためにもお母さんにも自分の幸せを見つけてほしいです。他人に頼らない自分ができることを探してほしい。

書かれたのが70年代なので、その当時の時事問題があるのが面白いです。学生運動は児童文学にも影響を及ぼしていたんですね。今の児童文学でこういう政治的な場面はあまり見たことがないですね。

まとめ

過酷な話でしたが、児童文学にはあまり見られない展開が多くて新鮮でした。親の影響と言うのは恐ろしいですね……。

キャラクター達にはみんな頑張ってほしいです。

つばさ文庫の他にも、岩波少年文庫でも出ているようです。

ぼくがぼくであること (岩波少年文庫 86)

ぼくがぼくであること (岩波少年文庫 86)