まちライブラリーにあったので借りてきました。家に置いておくのがちょっと恥ずかしいタイトルと表紙だ……。
あらすじ
漫画家を目指しながら、自傷や摂食障害を繰り返し、人生の迷子になっていた著者。その原因は自分の意思がないことではないかと考え、親に内緒でレズ風俗へ挑戦する。はたして「親の機嫌をとる自分」から脱出できるのか……。
生きていることは悪あがき
レズ風俗というタイトルがセンセーショナルですが、実際には生きるのがへたくそな女性がなんとか生きていく方法を探すエッセイです。
低すぎる自己評価のせいで何度も迷走するダメ人間ながら、その姿がどこかユーモラスで嫌いになれません。
好きだったのは、生きているより死んだ方がメリットがあるのでは、と気づいた著者が自分に言うシーン。
なにくそ!!!
こうなったらダメ元で立ち直るべくあがいてから死んでやる
私も死ぬほどつらかったときに、「でもここで死んだらむかつくあいつとかあの人とかより自分が不幸だと認めるってことなんだよな」と思って、思いとどまったことがありました。だからこの言葉にはとても共感できました。
生きづらい人間にとっては、うまく生きられない悔しさは一種のばねになりうるのかもしれません。
長いあがきの果てに少し前に踏み出す
「レズ風俗」というのはただのきっかけで、著者が何年も「変わりたい」とあがいてきたからこそ、最後に一歩踏み出すことができたのだと思います。
めんどくさい部分は簡単に治らないけれど、それでも生きていていいんだ、と思えることが大事なんでしょうね。
ただ著者が最後に手に入れた、「他者に認められたい」という生きがいは、結構あやふやです。読者ってものは結構簡単に手のひらを反すので……。
だからもっと他者基準でない生きがいも見つけられるといいなと思っています。あんまり一つの生きがいに寄りかかると、なくしたときに大変なことになりますから
勝手な願望かもしれませんが、いつかこじらせ関係ないエッセイ描いてほしいです。そして「なんだ、案外この人普通じゃん」と読者として言ってみたいですね。
まとめ
結構過酷な話なんですが、どことなくユーモアがあって面白かったです。
人生大変なことが色々あるでしょうが、やり過ごしたり立ち向かったりして頑張ってほしいです。