ブックワームのひとりごと

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島に伝わる、どこかへ行ける呪文 雨宮諒『夏月の海に囁く呪文』感想

夏月の海に囁く呪文 (電撃文庫)

一巻完結ライトノベルのおすすめにあった作品です。

 

あらすじ

夢久島という島に暮らす修一。彼は何でも正直に言ってしまう劇作家に出会う。その島には、「海で唱えると自分の居場所に連れて行ってくれる」という呪文があった。島で暮らす人々と、そこに伝わる呪文にまつわる連絡短編集。

 

少し寂しいストーリー

まず、文章が読みやすくてきれいです。ライトノベルを普段読まない人にとっても、とっつきやすい文章なのではないでしょうか。

「呪文」の言い伝えを語ることによって、リレーのように話がつながっていくのも面白いです。

内容は、かなり一般向けに近いもので、これが電撃文庫で出たことにびっくりです。メディアワークス文庫が当時あったら、きっとそっちで出ていただろうなと思いました。

魔法もSFもラブコメも出て来なければイラストもない、かなり異色な作品です。電撃はときどきチャレンジャーなことをしますね。

 

クオリティは高いけど個人的に好きではない

ただ、残念なことに、私にとっては「クオリティは高いけどあまり好きではない作品」でした。

作品に漂う感傷的な雰囲気が肌に合わなかったです。読んでいて気恥ずかしい気分になりました。

それからメインキャラクター以外のキャラが、いかにもテンプレ的な動きをするのが気になりました。脇役が舞台装置っぽすぎて、生きている感じがしません。

文章は上手いし、構成も悪くありません。好きな人は好きだろうなと思うんですが、私には合いませんでした。

 

まとめ

「面白いとは思うが私は好きじゃない」という微妙なレビューをしてしまいました。

でも、話的には王道だし、好きな人は好きだと思います。私があからさまに感傷的なものが苦手なだけです。