ブックワームのひとりごと

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昔を懐かしむ幸せと危うさ 岡田淳『ユメミザクラの木の下で こそあどの森の物語』再読感想

ユメミザクラの木の下で (こそあどの森の物語)

久しぶりに読み返したくなった本です。

 

あらすじ

春の初め、散歩に出たスキッパー。彼の前に知らない子どもたちが現れる。スキッパーは彼らと仲良くなり、花冠作りやかくれんぼをする。しかし、彼らはいつも忽然と消えてしまう。こそあどの森にはスキッパーとふたごしか子どもはいないはずなのに、見知らぬ子どもたちはどこから来たのだろうか……。

 

センチメンタルな終わり方が印象的

これを最初に読んだのは中学生ぐらいだったんですが、センチメンタルな終わり方が印象的でした。

この終わり方は、子どもより年を経た人の方がぐっとくるかもしれません。

 

スキッパーが見知らぬ子どもたちと遊ぶ子どもパートと、種明かしをする大人パートに分かれていて、両方読んで初めて内容がわかる作品になっています。

大人の記憶と、今現在子どもであるスキッパーが交差するところが、ファンタジーらしい幻想的な雰囲気がありました。

特別派手なことは起こらないんですが、ロマンのあるところがいいですね。

 

昔は懐かしいけれどもう来ない

この作品では、スミレさんがもうひとりの主人公格になっています。

彼女は不思議に対するセンサーが強いというか、第六感が強いというか、とにかくファンタジー色が強いシーンで活躍することが多いんですね。

でも彼女のいいところは、ちゃんと現実も見ているところです。最後にスキッパーに会いに行くシーンは、それを象徴していると思います。

昔は懐かしいし、幸せだけれど、ずっと浸ってはいられない。目を覚まして今を生きていかなければならないのです。

彼女が「遊び」の終わりを告げるのは、本当にはまっていて好きな終わり方です。終わらなければいけない物語なんですよね。

 

まとめ

子どものころ読むのと、大人になって読んだのとは印象が違う作品だと思います。

昔を懐かしむ楽しさと、それに耽溺する危うさの両方を描いた作品でした。

ユメミザクラの木の下で (こそあどの森の物語)

ユメミザクラの木の下で (こそあどの森の物語)

 

 

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