今日の更新は松本涼也『おはよう、愚か者。おやすみ、ボクの世界』です。
電撃文庫を読むのは久しぶりな気がします。
あらすじ
高校生の大村音彦は、恐喝事件の疑いをかけられ、インターネットに情報を流される。追われる身となった彼は、「榎田陽人」という少女がこの騒動の鍵となっていることを知る。彼女は何者なのか……。
ドロドロの感情が渦巻くサスペンス
非常にどっろどろな作品でした。
ドロドロな話好きなんですよね。現実には起こってほしくないですが。
この話は、主人公の大村音彦が突然恐喝の疑いをかけられるところから始まります。
【拡散希望】【危険人物情報】
今日の八時頃、私の友達が大村音彦という高校生に半殺しにされました。救急車で搬送されていきました。大村音彦じゃ、これまで私のクラスメイトへ恐喝を繰り返しています。その額は信じてもらえないかもしれません。累計3020万。私は、この男を許しません。
(P24)
彼が逃げながら無実を証明する話……と思いきや、物語は二転三転し、思わぬ所へ転がっていきます。
いい意味で予想を裏切り続ける話なので、最後まで面白く読めました。露悪的なので好みは分かれると思いますが、私は結構好きです。
ハッピーともバッドとも言い難い、やりきれない思いが残るラストもよかったです。この話は単純に終わってはいけなかったと思います。こういうちょっと変わった終わり方をする話は好みです。
反面、サスペンスとしてはちょっと荒いところもありますね。話がどんどん展開していくので、あまり気にならない部分ではあります。が、厳密なところが気になる人には向いていないでしょう。
まとめ
サスペンスとしてはちょっと荒いところもありましたが、ドロドロハートフルボッコ展開は面白かったです。
また、機会があれば読んでみたい作家です。
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