Primeリーディングでナニワ金融道が出てたので読み返していました。
やっぱり面白いな~と思ったので感想です。
あらすじ
消費者金融の帝国金融に入社した灰原は、そこで金融業界の闇を知っていった。金融屋をだまそうとする地面師の男、彼氏のためにソープに沈められる女など、灰原は支払い困難になった客に「追い込み」をかけていく……。
矛盾した人たちの人間味がすごい
この作品に出てくるキャラクターってみんな矛盾してるんですよね。自分が追い込んだ女性に対して「つぐないをさせてくれないか」と言う灰原をはじめとして、家族には優しい汚職政治家、たばこ銭目当てに個人情報を売る公務員などなど、筋の通った人間がいません。
しかし、その矛盾の仕方がすごく人間味があります。どこかにいそうな、「小悪党」で「小市民」な人たちを、生々しく描いている。
この人たちは矛盾に付け込まれてうっかり悪い人間につかまってしまったけれど、そういう「矛盾」は多かれ少なかれ誰にでもあるものではないでしょうか。いや俺には矛盾はない、という人のほうがおっかないです。
だからこそ、描かれる人間のエゴに対して「こいつむかつく!」ではなく、共感しながら、自分に置き換えながら、読むことができます。
ストーリー自体も、詐欺のしくみや、金融業の裏事情を知ることができてとても勉強になります。
悪い人が、いかに人をだますか。貧乏人のお金はどこへ行くのか。その事情を痛烈に描いています。
だまされる人たちに共通することは「無知であること」何も知らない人たちは、悪い人に騙されて身ぐるみはがされる。絵柄もストーリーもすごく泥臭い作品ですが、一方で「知は力」というのを感じさせてくれます。
絵柄的に、ネタ漫画扱いされることも多いんだけど、もっと広く読まれてほしい作品です。
まとめ
今読んでも面白い作品なので、逆に若い人に読んでほしいんですよね。何も知らなきゃ騙されるってことがはっきりわかる作品なので。
もちろんとっくに大人になった人たちにも、世間の荒波を改めて知るためにおすすめです。