ブックワームのひとりごと

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東京に一番近い3.11被災地で被災者生活―世鳥アスカ『明日、地震がやってくる!』

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明日、地震がやってくる!

今日の更新は、世取アスカ『明日、地震がやってくる!』です。

 

あらすじ・書籍概要

千葉に暮らしていた著者は、3.11で「液状化現象」に巻き込まれる。建造物が傾き、計画停電が実施され、そして、なかなか終わらない断水に悩まされる。東京から一番近い被災地を描いたコミックエッセイ。

 

液状化で見た人々の光と闇

2年経って震災の本も多数あるのに

なんで誰も液状化について書いてくれないんだろう?という思いがふくらんでいったんです

(P121)

 と著者が語る通り、「液状化」がどういうものか知るきっかけがなかったので、このコミックエッセイで知ることができてよかったです。

揺れに合わせてぶよぶよ動く道路、盛り上がったマンホールなど、錯視みたいなできごとが実際に起こるのは恐ろしいですね。

 

長い断水に悩まされる著者たち家族に、お風呂を貸してくれたり、物資を届けてくれたりする人々の支援が温かいです。

帰宅困難になった著者の父を車に乗せてくれた一般の人も! 優しさにほっこりしましす。

一方で、液状化した街を見に来る野次馬たちに腹を立てるシーンも。あちこちで写真を撮ったり、被災者を見てあれこれ噂したり、なまじ都心に近いだけに、どうしてもそういう人たちが来てしまったんでしょうね。

人間の光と闇がはっきり表されていました。

 

ただ一点、地震予測について非科学的なことを書くのはどうかと思いますよ。出版した時点で責任が生じるんだから……。

 

『明日、地震がやってくる!』まとめ

終盤は少しツッコミどころがありましたが、液状化について知るきっかけになって面白かったです。

私の住む町も埋立地があるので、他人事ではないですね。

明日、地震がやってくる!

明日、地震がやってくる!

 
アラスカ・ワンダホー!  (コミックエッセイの森)

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