あらすじ・概要
汚部屋から脱出した著者が、今度は家の整理に挑戦。文房具の仕分け、押入れの整理、棚の並べ方など、悪戦苦闘しながらもものが出しやすい家に向かっていく。ものを整理することによって生まれたものとは……。
迷走しつつも気付きを得られるエッセイ
このコミックエッセイはさくさく整理していくような作品ではなく、片付けのために何度も迷走し、過去に戻っては、悩んでいる光景が描かれています。
しかしだからこそ気付けることもあります。迷ってばかりの著者が「あ、こういうことだったのか!」と納得する瞬間は、読者から見ても爽快感がありました。
たとえば持っている服を着てみて似合わない服に気付いたり、置き場所を決めて初めて「とりあえず置き場」の意味がわかったり。こういうことは、さくさく片づけられるような人には描けません。
さらに、整理術としては基礎的な内容だと思うんですが、著者の実際の試行錯誤がストーリーとして面白いんですよね。
本棚を倒壊させるシーンではらはらしたり、パソコンがフリーズしてシステムディスクを探し回るシーンで焦ったり、コミックエッセイなのにこっちの心もきっちり動かされています。
著者に共感してしまうのは、私も片付けられない女だからかもしれないですね。
コミックエッセイが上手い人の作品で面白かったです。