あらすじ・概要
保育士をしながら絵本を描いていた著者は、ある日、手足がしびれて動かなくなる。それは、脳こうそくの予兆だった。入院した著者は、投薬とリハビリをしながら社会復帰を目指す。しかし、体はなかなかうまく動かず、不安が募っていった。
希望と絶望の間で揺れ動く脳こうそく患者
重病になったときあるある、家族や友人と軋轢が生まれる……!
著者は入院中に妹に頼りきりになり、そのせいで一度大げんかをしてしまいます。
いろんな闘病エッセイで見かけるので、これはもう定番の悩みなのでしょうね。
彼女らは仲直りできましたが、そのままフェードアウトしてしまう関係もたくさんあるんだろうなと思うと恐ろしいです。
脳こうそくについては調べてだいたいは知っていましたが、脳こうそくになった人のリアルな反応、不安、揺れ動く心は想像の範囲外だったので興味深かったです。
特に生きることに感謝し明るい気持ちになる日と、暗い気持ちで沈んだまま過ごす日があるというのはちょっとわかります。私はメンタルの病気だからもともとなんですが、ふりこのように行ったり来たりするんだよね、心は。
それだけに歩けたときの喜びや、退院の時にリハビリの担当者に歌ってもらえた楽しさが、絵から伝わってきました。
コミックエッセイとしてはさらっとした感じで情報量は多くありませんが、最初に読む脳こうそくエッセイとしては悪くなかったと思います。