あらすじ・概要
北欧の美しいデザインや雄大な自然にあこがれていた著者は、北欧に旅に出る。そこには見たこともない街や風景があった。フィンランドでマリメッコやアラビアの店を巡り、スウェーデンでノーベル博物館を見学するなど、その土地ならではの文化や歴史、自然を訪ねていく。
素直さが面白い旅エッセイ
何気なく手に取った本でしたが思ったよりもずっと面白かったです。こういう出会いがあるから、本をふらっと選ぶのをやめられませんね。
北欧諸国で買い物をしたり自然の中を歩いたり観光をしたり、やっていることは普通の旅エッセイですがその情報量がすごいです。きっちり下調べをして現地に向かっていることがわかる内容の濃さ。こまごまとしたイラストで描かれる現地のアイテムや人々。
その分文字が多くて漫画としては読みづらいけれども、読みごたえがあってこれはこれでありです。
この内容の濃さの理由は、著者がもともと北欧好きだから。マリメッコやアラビアなど北欧のデザイン雑貨を収集してきた著者は、北欧を旅するためにたくさん下調べをしたそうです。それが作品に生きているのでしょう。
個人的に好きだったのはまめに食べたものの内容とイラストを描いてくれること。このイラストが本当においしそうで、異国っぽいです。文化の違う場所の食べ物はやはりいいですね。
それから著者の反応が何を見ても非常に素直だから心地いいです。世界三大がっかり名所に数えられているコペンハーゲンの人魚姫の像を見たときでさえも、「何だか悲しげで情緒的」とコメントするほど。
ネガティブな反応をしたのはリコリス(北欧でよくお菓子に使われるハーブ。味が独特)のお菓子を食べたときぐらいです。
こんな風に心を開いて旅ができれば楽しいでしょうね。