ブックワームのひとりごと

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兄と妹が織りなす三角関係と、自分は何者でもない辛さ―小花美穂『アンダンテ』

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アンダンテ 1 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

 

あらすじ・概要

吹奏楽部の部長でサックスを吹いている茗(めい)には血のつながらない兄、那都(ナツ)と暮らしている。茗は有名作曲家である那都への報われない恋心を持て余していた。そんなある日、ふたりの父がメルヴィーナという少女を連れてくる。「彼女を預かってほしい」と強引に頼まれ、茗と那都はメルと三人暮らしをすることに。

 

ドロドロ近親相姦ものだが辛くなりすぎない

結構序盤でそのことが出てくるのでネタバレしてしまうと、この作品は近親相姦ものです。メルヴィーナは那都の異母妹。

実の妹と義理の妹との三角関係で、ストーリーはかなりドロドロしているのですが、茗もメルもいい子なのでドロドロ感の中でもつらくなりすぎずに済みます。

しかし、この作品をリアルタイムで読んでたころ私は小学校高学年だったのですが、よくもまあさらっと受け入れてたよな……と思います。

 

茗が恋愛にうじうじしてしまうキャラクターだからこそ、はっきりきっぱりものを言う少年、州(シュウ)が一種の清涼剤でした。彼は興味本位で茗と付き合い始めますが、彼女の恋愛の煮え切らなさにいらいらし始めます。

ちょっとガラが悪いところがありつつ本気で茗を心配しているところがギャップ萌えでかわいいです。

 

それから茗の「(那都と違って)自分は特別な人間じゃない」と思い悩んでいるところが共感が深かったです。青春時代って自分に特別な能力がないことに悩むんですよね。吹っ切れたら特別じゃなくても人生案外楽しめることに気付くんですが。

そんな茗がラストで自分の人生を歩んでいるところに救いを感じました。

 

今やったらいろんな意味でアウトになりそうな作品なんですが、やっぱり面白いです。というか那都は17歳でいろんな業を背負いすぎだと思います。高校も卒業してないのに!?