ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

きょうだい

『母を片付けたい 汚屋敷で育った私の自分育て直し』高嶋あがさ バンブーコミックス エッセイセレクション 感想

あらすじ・概要 汚部屋住人でネグレクト、毒親の母を持った著者は過去を回想する。まともな食事ができず、その上自分に執着してくる母親をかわしたりなだめたりする人生だった。著者は自分の過去と向き合うことによって、親の価値観から解放され、自分の人生…

『この本を盗む者は』深緑野分 角川文庫 感想 少女が本と家族の呪いから脱出する幻想文学

あらすじ・概要 妄執的な読書家の一族に生まれた深冬は、本が大嫌い。一族が所有する図書館から本が盗まれたとき、「ブック・カース(本の呪い)」が発動した。深冬はいやいやながらもフィクションに飲み込まれた町で本泥棒を探すこととなる。 本を偏執的に…

『かなりや異類婚姻譚 蛇神さまの花嫁御寮』夕霧かのう 感想 集英社オレンジ文庫

あらすじ・概要 未来予知で危機を知らせるかなりやの異能を持つ櫻子は、自分自身が死ぬ様子を予見する。彼女は未来を回避するために、自分の行動を改め、許嫁との関係も見直していくこととなる。婚約を破棄しようとするが、逆に相手に好かれるようになってし…

『オモロイ台南 台湾の古都でしこたま食ってきました』ヤマサキタツヤ KADOKAWA 感想

あらすじ・概要 元々旅行好きだった著者は、台湾の南の地域、台南に興味を持ち、各地の食べ物や土地をめぐる。台湾で学ぶ妹と歩いたり、人との出会いがあったり。台南の面白さを紹介するエッセイ。 台湾の南部、台南で食べたり自転車乗ったり コミックエッセ…

『パートナー』小花美穂 りぼんマスコットコミックス 怪しげな研究所から双子が脱出を目指す

あらすじ・概要 双子同士で仲良く付き合っていた萌・苗と、賢・武。しかしその関係は萌の死をきっかけにぎくしゃくしてしまう。三人が萌の死を受け入れて前に進もうとしたところ、死んだはずの苗を街で見かける。萌を発見した三人は謎の研究所に閉じ込められ…

『つつがない生活』INA トーチコミックス 感想 気弱で優しい男性から見た世界の残酷さ

あらすじ・概要 自営業でバンドマンな著者は、同じくフリーランスの妻の仕事の手伝いをしながら暮らしている。楽ではない日々だが、妻と妻の妹と家族として愛し合っている。日本での日々のこと、アメリカのイベントに参加した時のこと、新婚旅行のフランスで…

『父と家族をやめたい』あかり 本当にあった笑える話 ぶんか社 感想

あらすじ・概要 漫画家である著者の父親はめちゃくちゃな人間だった。父親が飲食店をやるということで呼び戻され、店員として働かされる著者と姉。給料もろくに出ない、むしろ父親から金を無心される日々に疲弊していく姉妹だった。 コミカルでつらい父と娘…

『ロジックツリー』雁須磨子 全2巻 ウィングス・コミックス 感想

あらすじ・概要 大家族で育った螢(けい)は、いつもきょうだいたちのドタバタに巻き込まれている。父方の祖母の家で手伝いをしたり、きょうだいたちの恋愛事情に巻き込まれたり、自分が恋愛をしたり……ラブコメ群像劇。 登場人物が多いドタバタ恋愛&家族劇 …

『被害者家族と加害者家族 死刑をめぐる対話』原田正治・松本麗華 岩波ブックレット 感想

k あらすじ・概要 殺人事件の被害者の兄と、地下鉄サリン事件を起こした教祖の娘。彼らはお互いに何を感じ、何を語るのか。対話から見えてくる、現代日本の人権の問題、同調圧力やステレオタイプの押し付け。話すことによって問題を捉え直すことを試みる本。…

【親を世話する苦しみとおかしさをブログにつづる】カータン『健康以下、介護未満 親のトリセツ』

あらすじ・概要 著者の父はある日視力を失い、母はその視力を失った父を支えていた。しかし介護する・支えられるという関係のストレスからか、ふたりに認知症の傾向が現れる。著者は姉と協力して、思うようにいかない親夫婦を通いで介護するようになる。介護…

チョコレートを取り上げられた国を救うソシャゲ風のノベルゲーム―『ショコラティックウォーズ』

novelgame.jp あらすじ・概要 チョコレートが大好きな女性ショコラは、ロマーノ王国でチョコレート禁止法が布かれていることを知る。天才ショコラティエのヴァレンタイン率いる革命軍に参加したショコラは、王城に向かって王と対峙する。しかし王国は思った…

アルコール依存症になったOLの妹との共依存と卒業―かどなしまる『人生が一度めちゃめちゃになったアルコール依存症OLの話』

あらすじ・概要 社会人として事務の仕事をするも、職場の人間関係の悪さから、ストレスをため込んでいた著者。「お酒を飲んでから出勤すると平気」ということに気づき、飲酒をしてから仕事をするようになる。同居の双子の妹と諍い、家に帰れなくなっても、そ…

親を愛せなかった悪い子のための子ども向けアニメーション―『ウィロビー家の子どもたち』

www.youtube.com https://www.netflix.com/title/80239482 あらすじ・概要 著名な人物を輩出してきたウィロビー家。しかし今のウィロビー家では、両親が子どもに関心を持たず、ネグレクトや虐待を繰り返している。ほとほと親に嫌気がさしている子どもたちの…

フランスの三兄妹が迷惑かけたりかけられたり―『ローラとふたりの兄』

パネルに顔が反射しないようにしたら写真が変な角度になってしまいました。 あらすじ・概要 月初めの木曜日には両親の墓の前に集合する習慣のある、ローラとふたりの兄。ピエールは三回目のブノワの結婚式で、新婦の名前を忘れるという失態を犯してしまう。…

煮え切らない内容で面白くなかった―鈴木伸元『加害者家族』

あらすじ・内容 ある日自分の家族が加害者になったら……。犯罪者の数だけ加害者家族がいる。家族らはいやがらせや脅迫を受け、住んでいた土地から逃げざるを得ない場合も多くある。被害者への罪悪感と「まさかうちの家族が」という感情の間で揺れながらも、過…

女装癖のあるトラブルメーカーの弟とトンチキ展開に巻き込まれる―我鳥彩子『うちの中学二年の弟が』

あらすじ・概要 湖子には、六区という弟がいる。彼は女装癖があり、少女漫画ばりの妄想を展開し、トラブルに頭を突っ込む中学二年の少年だった。六区が何かに頭を突っ込むたび、湖子もそれに巻き込まれて翻弄される。奇妙な姉弟の関係を描いた連作短編。

兄と妹が織りなす三角関係と、自分は何者でもない辛さ―小花美穂『アンダンテ』

あらすじ・概要 吹奏楽部の部長でサックスを吹いている茗(めい)には血のつながらない兄、那都(ナツ)と暮らしている。茗は有名作曲家である那都への報われない恋心を持て余していた。そんなある日、ふたりの父がメルヴィーナという少女を連れてくる。「彼…

働かない弟を養いながら支える姉の距離感がいい―沼津マリー『実家からニートの弟を引き取りました』

あらすじ・概要 著者には高校を辞めて以来、引きこもってゲームばかりしている弟がいる。親孝行のために彼を東京のワンルームに引き取り、社会復帰を支援することに。まずは漫画のアシスタントを頼み、履歴書に書けることを増やそうとするが、弟はやはりゲー…

子どもっぽい雰囲気の作品にお色気描写入れるのやめよう―からて『押し入れの中のダンジョンクラフト』

あらすじ・概要 高校生の「僕」は寮の押し入れの中にダンジョンが広がっていることに気づく。そこにいたのは、死んだはずの妹、あーちゃんだった。あーちゃんと一緒にダンジョンを発展させていく僕だったが、そこには不穏な侵入者が現れる。あーちゃんはなぜ…

生き別れの妹がいたのはあやかしの住む屋敷でした―椎名蓮月『あやかし屋敷で夕食を』

あらすじ・概要 母の死の知らせが届き、生き別れの妹有沙とと再会した旭。有沙は人でないものたち「あやかし」と屋敷で一緒に暮らしていた。有沙は、蛇神の生贄となってしまったという。価値観のおかしいあやかしたちと同居することを心配した旭は、有沙と一…