ブックワームのひとりごと

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ちょっとだめで愛おしい人間たちの恋と性―クマザワミキコ『夜の須田課長』

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夜の須田課長 (RYU COMICS)

 

あらすじ・概要

イケメンでエリートで仕事もできる須田は、実は家庭内での妻との関係に悩んでいた。鬱屈する中で須田はある過ちを犯すが……。表題作ほか、ちょっとだめだけれど愛おしくなるキャラクターたちの短編集。

 

性についてポジティブな作品

基本的に性欲というものがポジティブに描かれている作品で、そのポジティブさがよかったです。

登場人物もだめだったりヘタレだったりするけどどこか憎めない言動で、読んでいて楽しかったです。

 

ただ、これはクオリティの問題ではなく著者との価値観の問題ではあるんですが、物語の中の課題が性愛によって解決することが多いんですよね。私はこういう話「そんなにうまく行くものなのか?」と思ってしまいます。でも性愛を強く求めている人にはリアリティのある描写なのでしょうかね?

 

個人的に好きなのは「ちか子ちゃんの父」と「あやちゃんのデブ」です。

「ちか子ちゃんの父」は、子が親から自立していくのについていけない父親の話。愛はあるんだけどうっとうしい男に笑いました。

「あやちゃんのデブ」は太った男性と付き合う女性の話。人の好みって十人十色だよね……という話。何だかんだ食べる彼に惚れているところがかわいかったです。

「ムネチカくんの駄々」も妻の妊娠に戸惑う男の話で好きです。戸惑う理由が真面目過ぎるので愛しくなりました。

夜の須田課長 (RYU COMICS)

夜の須田課長 (RYU COMICS)

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