ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

短編集

死体の一人称によって語られる、幼き殺人者のサスペンス―乙一『夏と花火と私の死体』

あらすじ・概要 9歳だった「わたし」は友達に殺された。友達とその兄は、わたしの死を隠蔽するため死体を隠そうとする。死体を一人称とした証拠隠滅サスペンスが始まる……表題作ほか、とある家の女中となった女性が見た、奇妙で恐ろしい夫婦の姿を描く「優子…

少年少女が時間の不思議に巻き込まれる短編集―古橋秀之『ある日、爆弾がおちてきて【新装版】』

あらすじ・概要 浪人生の前に現れたのは、高校時代好意を持っていた女の子だった。彼女は自分が爆弾だと名乗り、主人公とデートをしてドキドキしようとするが……。表題作ほか、精神だけ時間を遡る奇病、図書館にいる小さな神様、窓に映った違う時間軸の少女な…

民俗学とSFと日常ちゃんぽんにしたような不思議漫画―詩野うら『有害無罪玩具』

あらすじ・概要 博物館にやってきた女性。職員が取り出し説明するのは、不思議なおもちゃたち。命を持つシャボン玉、未来に描く絵を出力する機械、並行世界を覗けるバッジ。それらのおもちゃを使ってみるたびに、奇妙な感覚に襲われる。表題作ほか、不安と懐…

不倫や失恋を独特の空気感で描く―田島列島『田島列島短編集 ごあいさつ』

あらすじ・概要 ちかの元に知らない女性がやってきた。彼女は姉の不倫相手の妻らしい。姉は家から逃げてしまい、ちかはたびたび訪ねてくるその女性を相手にすることとなる。表題作ほか、不倫、失恋、微妙な関係の異性、できちゃった結婚などをテーマに日常を…

内容が薄くて頭に残らない―『刀剣乱舞-ONLINE アンソロジー あそび』

あらすじ・概要 こっくりさん、紙飛行機、カードゲームなど、刀剣男士と「遊び」をテーマに様々な漫画家たちが寄稿。本丸を舞台に楽しく遊びまわるアンソロジー。

実在する店を、失恋したキャラクターたちが訪ねる2ページ漫画―木丸みさき『失恋めし 京都・奈良・大阪・神戸編』

あらすじ・概要 関西の町には、失恋した老若男女がいる。恋に破れた彼ら彼女らが失恋をきっかけに関西の実在する店を訪ね、おいしい料理に舌鼓を打ち、おしゃべりをして少し立ち直っていく。「関西ウォーカー」に掲載された「失恋」と「おいしいお店」をテー…

トンチキからほのぼのまで、刀剣男子が「食べる」漫画―『刀剣乱舞-ONLINE-アンソロジー ごはん』

あらすじ・概要 刀の付喪神が人の形をとって戦う「刀剣男士」。彼らのご飯風景をアンソロジーとして制作。ほのぼのなご飯風景から、トンチキ食事ギャグまで、多様で楽しい食事生活を収録。

短くてもくせになる、漫画短編集おすすめ7選

素材:Canva(https://www.canva.com/) 今日の更新は、漫画短編集おすすめまとめです。 シリーズものを追う体力がなく、よく漫画短編集を読んでいます。漫画の短編集ってあまり話題にならないのですが、魅力的な作品が非常に多いです。 今回は、その魅力に…

「定食屋のからあげ定食がおいしい」みたいなお仕事小説―ほしおさなえ『活版印刷三日月堂 星たちの栞』

あらすじ・概要 故郷に戻ってきた弓子は、祖父が経営していた活版印刷所「三日月堂」を再開した。びんせん、ショップカード、しおり、結婚式の招待状。三日月堂の依頼者は、印刷物を作ることによって自分の過去や今に向き合うこととなる。活版印刷をきっかけ…

人と人外の関係性を強い画力で描く―墨佳遼『トルソの僕ら』

あらすじ・概要 彼氏に裏切られたハンナは、アマゾンの奥地で鳥に似た不思議な生き物と出会う。うっかりその種族の求愛行動をしてしまったハンナは、その鳥、ナプタムに惚れられてしまうのだが……。人魚、人造人間、手足のない種族など、人と人でないものの関…

かっこよくない青春の一瞬のきらめき―豊島ミホ『檸檬のころ』

あらすじ・概要 田舎の進学校、北高。そこで学ぶ生徒たちや周囲の人間は、それぞれに悩みを抱えている。保健室登校の友人を持つ少女、建物の中で交際する寮生に悩む寮を管理する女性、進学で別れ別れになるカップル。みっともなくてみずみずしい、青春を描い…

失恋が連鎖する、数珠繋ぎ連作短編―角田光代『くまちゃん』

あらすじ・概要 アーティスト志望の男に恋した女、恋をきっかけにフリーターから脱出しようとした男、女優をやめて画家の男との結婚を狙う女。今回で振った側が次の回でふられる、「ふる・ふられる」でつながる連作短編。

「合わない」人間にもやりたいことを示してくれる―高野文子『黄色い本 ジャック・チボーという名の友人』

あらすじ・概要 小説の主人公に自分を重ね、本に耽溺する少女。空想と現実が混じる脳内で彼女は何を思うのか……表題作を含む三編を収録した短編集。

かわいい絵柄で一癖ある女の子を描く―アッチあい『このかけがえのない地獄』

今日の更新は、『このかけがえのない地獄』です。 あらすじ・概要 魔法少女になる夢を諦められない少女、自分が漫画の登場人物であることに自覚があるラブコメ漫画のヒロイン、女装をして好きな女の子と付き合う羽目になる少年……。若者たちの痛々しい青春を…

奇想をしっかり物語に落とし込む短編集―柞刈湯葉『人間たちの話』

今日の更新は、柞刈湯葉『人間たちの話』です。 あらすじ・概要 姉の子を引き取った学者が地球外生命体の研究と向き合う表題作ほか、雪に覆われた日本で南を目指す男と少年、相互監視が行き届いた世界で楽しく暮らす人々、どんな宇宙人たちにもラーメンを提…

京都を中学生が駆け回る短編集―ゆげ『京都中学生日記』

今日の更新は、ゆげ『京都中学生日記』です。 あらすじ・概要 京都に修学旅行にやってきた中学生たち。そこに、班分けの余りもので形成された班があった。男子とはぐれ、焦る班長だったが……。主人公を変えながら、京都の中学生を描く連作短編。

少女の背中を押す人を食う化物の優しさ―あおのなち『あなたの世界で終わりたい』

今日の更新は、あおのなち『あなたの世界で終わりたい』です。 前に読んだ同作者の短編集が面白かったので、こちらも買ってみました。 あらすじ・書籍概要 血を嫌う吸血鬼と、学校でいじめられている女子高生。女子高生は吸血鬼に、「あなたに食べられてもい…

政治サークルの壊れていく理想―小野不由美『華胥の幽夢』

今日の更新は、小野不由美『華胥の夢』です。 あらすじ・書籍概要 才の麒麟、采麟が体調不良を起こす。どうやら失道らしい……だが、采王のどこが間違っているというのだろうか。表題作『華胥』ほか、過去や日常をまとめた十二国記の番外短編集。

異性も同性もまとめて読める恋愛短編集―あおのなち『あの子に優しい世界がいい』

今日の更新は、あおのなち『あの子に優しい世界がいい』です。 あらすじ・書籍概要 アンドロイドのアンは、主人に煙たがれている。アンは主人の心を知りたいと望むが……。アンドロイドと人間、学校の友達、魔法使いのふたりなど、同性同士も異性同士も含む「…

ふざけるならまじめにやれ―草野原々『最後にして最初のアイドル』

今日の更新は、草野原々『最後にして最初のアイドル』です。 あらすじ アイドル活動をするために少女が自己改造を繰り返す表題作、ガチャで生活崩壊した少女が転生して進化していく『エヴォルーションがーるず』、声優の力を使って宇宙を進むスペースオペラ…

かわいいけれどどこかクールな雰囲気―香魚子『さよなら私たち』

今日の更新は、香魚子『さよなら私たち』です。 あらすじ 手をつないだまのふたりの少女の魂。このままでは三途の川を超えられない。少女たちは現世で自分たちの過去を調べるが……表題作ほか、思春期の少女たちを描いた短編集。

ウェットな感情が飛び交う短編集―TAGRO『DON'T TRUST OVER 30』

今日の更新は、TAGRO『DON'T TRUST OVER 30』です。 一巻完結のまんがを読むシリーズ。 あらすじ 漫画家として生活している男は、恋人に結婚したいと言われる。彼には父親への葛藤があった。ままならない大人たちの短編集。

それぞれの『運命の女の子』を描く短編集―ヤマシタトモコ『運命の女の子』感想

今日の更新は、ヤマシタトモコ『運命の女の子』です。 この人の短編集はときどき読みたくなりますね。 あらすじ 大量殺人鬼と対峙する女刑事を描いた「無敵」、男女が演劇をしていたころを回想する「君はスター」、すべての人が呪われた世界で一人だけ呪われ…

こっくりさんと契約した男の、悲しくも希望のある結末―乙一『天帝妖狐』再読感想

今日の更新は、『天帝妖狐』です。 久しぶりに読みたくなったので楽天koboで買いました。電子書籍は気が向いたときに買い戻せて、著者にお金を払えるのでいいですね。 あらすじ 杏子は道端で倒れていた夜木という男を拾う。顔を隠した夜木は、何か訳ありのよ…

地味だけれどじんわり面白い学園連作短編―岩岡ヒサエ『花ボーロ』感想

今日の更新は、岩岡ヒサエ『花ボーロ』です。 一巻完結の漫画を読むシリーズ。 あらすじ 先生、生徒、給食の調理人、彼らは関わり、すれ違い、それぞれの物語を紡いでいく……学校を舞台にした、連作短編漫画。

オチのひねり方が粋なSF短編集―フレドリック・ブラウン『さあ、気ちがいになりなさい』感想

今日の更新は、フレドリック・ブラウン『さあ、気ちがいになりなさい』です。 うっかりすると更新報告しているTwitterのアカウントが凍結されそうなタイトルですね。 あらすじ 精神病院に潜入することになったジョージ・バイン。彼には三年前からの記憶がな…

標本技師と事務員の密やかで耽美な恋 小川洋子『薬指の標本』再読感想

今日の本は『薬指の標本』です。 大学生のころから何回も読み返した本です。今回も読みたくなったので。 あらすじ 楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡……。人々が思い出の品々を持ち込む〔標本室〕で働いているわたしは、ある日標本技術士に素敵な靴をプ…

秋に閉じ込められたリプレイヤーたちのゆるい生活 恒川光太郎『秋の牢獄』再読感想

あらすじ 女子大生の藍は、自分が11月7日を繰り返していることに気づく。同じ境遇の「リプレイヤー」たちとつるみ、ループを楽しむ。しかし、「北風伯爵」という謎の存在がリプレイヤーたちを脅かしていて……。表題作含む三編を収録。

「役割」を持つ人たちの掌編集 いしいしんじ『雪屋のロッスさん』感想

あらすじ なぞなぞをするタクシー運転手、巨躯のプロバスケット選手、マッサージ上手な女性。何かの「役割」を持った人をテーマにした掌編集。

あいまいな感情を言語化してくれる短編集 吉本ばなな『とかげ』再読感想

この方時期によってよしもとだったり吉本だったりするので、ブログの作家タグをどっちに合わせるか悩みます。 たぶん中学生くらいの頃に読んだけれど、内容をきれいさっぱり忘れてました。 あらすじ 鍼灸師をやっている女性「とかげ」にプロポーズした「私」…