あらすじ・概要
50代を過ぎ、自身の老いを意識し始めた著者、青沼貴子。先に60代に突入する夫とともに、これからのことを考え始める。パートの面接に挑戦したり、貯金を始めたり。ベテラン漫画家がたどり着いた50代の気楽さ、明るさとは……。
50代の漫画家の生活をユーモアを交えて語る
老後資金のことや体調不良のことを扱いつつ、語り口はとても明るいです。悪いことも不安なこともユーモアを使って笑い飛ばしています。
グループ旅行に行かなくなったことなど、年を取って変わった価値観にも触れられていて、変わっていく自分を何だかんだ肯定しているのが元気が出ます。
日常の切り取り方がとても上手く、私が子どものころからコミックエッセイを描いていただけあります。だからこそ30年以上描き続けてこれたのでしょう。
ふたりの子ども、リュウとアンもまだ親に迷惑をかけているようで、同じく親に心配をかけている身としてはちょっと耳が痛かったです。それでも著者が子どもを愛し、楽しく生きようとしているところはよかったです。
私は正直老いるのが怖いんだけれど、こういうエッセイを見ると少し安心します。楽しく老いる方法をいっぱい発信してほしい。