ブックワームのひとりごと

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気弱な靴職人は、夢破れて故郷に帰る女性に靴を作る―仲村つばき『シンデレラ伯爵家の靴箱館 荒野の乙女は夢をみる』

シンデレラ伯爵家の靴箱館2 荒野の乙女は夢をみる (ビーズログ文庫)

 

 

あらすじ・概要

エデルはジュディという女性の靴を作ることになる。脚本家の夢破れて故郷に帰るという彼女は、エデルの母親を知っているようで……。しかしジュディにも「魔術師の靴」の魔の手が忍び寄る。エデルはジュディを守るため、靴箱館を守るため、ある取引をしてしまう。

 

多様な生き方を示してくれるのがいい

今回のゲストキャラ、ジュディは脚本家の夢破れて故郷に帰る女性。(作中の設定では)いわゆる行き遅れであり、条件のいい結婚をすることも難しいです。そんな彼女は、夢をあきらめきれない気持ちと、故郷に帰り親のあとを継がなければという義務感で揺れ動きます。

少女小説ってその性質上どうしてもハッピーエンド至上主義、異性愛至上主義になりがちなんですけど、ジュディが出て来たことによって「それがすべてではない」という雰囲気が出てきてよかったですね。最後にエデルとアランはくっつくんだろうけど、それが幸せの至上というわけでもない。こういう生き方の多様性を見せてくれるところは新しかったです。

 

黒幕になるのかなあと思っていたキャラもさくっとネタ晴らしされ、一時退場に。展開が早いのでこれからどうするんだろうなと思うんですが、回収していない伏線もたくさんあるのでそこから話を発展させていくのでしょうか。

 

アランとエデルもお互いに恋を自覚し、ロマンチックな雰囲気になりつつありますが、両方鈍感なのでトンチキラブコメになっています。真面目過ぎてかみ合っていないのが笑えます。

 

今回も面白かった!続きも楽しみ。