ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

飲食・グルメをテーマにしたラノベ・ライト文芸おすすめ5選

 

ヒモの青年と老女画家の奇妙な同棲『極彩色の食卓』

美大を休学して女性の家を転々としていた青年、燕(つばめ)は、半分引退したような女流画家律子に拾われる。律子は掃除もできなければ炊事もできず、まったく生活力がない。燕は律子の弟子から送られてくる食材を駆使して料理を作るのだった。

老いた女流画家と休学中の美大生の、居候以上恋愛未満の奇妙な関係。料理を作りながら穏やかに暮らしているようで、お互いに執着を持ち始めていきます。

それでいて、心に苦しみを抱えたふたりは、少しずつ救われていきます。両親に絵を描くことを強いられ、美大に入ってから絵が描けなくなってしまった燕と、あることをきっかけに絵に黄色が使えなくなってしまった律子。ある意味で「色」を失った燕と律子が、食事をともにするうちにその「色」を取り戻していくストーリーがもう本当に最高。何百回でも読みたいですね。

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アラサー男と悪魔娘のくっつかない食事小説『おひとりさまでした。~アラサー男は、悪魔娘と飯を食う~』

アラサーのサラリーマン誠一郎は、偶然悪魔を召喚してしまう。彼が悪魔に願ったのは、「一緒に飯を食うこと」。かくして悪魔娘リリスは、誠一郎が「誰かと飯を食いたい」と思った瞬間に現れ、彼のおごりで食事を共にするようになる。ふたりはジャンクな者から高級なものまで、食を楽しんでいく。

本当に悪魔娘とアラサー男がご飯を食べているだけで、恋愛展開はほとんどありません。ちょっとだけ好意があるかな? という描写はありますが、それだけ。

主人公はリリスをまったく性的な目で見ていなくて、ただ食事をするときの相棒とだけ認識しています。セクハラもしなければマウントもしません。

最後にあるネタばらしがある以外はストーリー性もほとんどなく、ひたすらご飯を食べる描写があるだけです。場合によっては退屈かも。

しかし他の作品に移る前の箸休め的な小説としてはよかったです。ちょうどこれを読んでいる時分にメンタルがやられていたこともあり、安心して読めました。

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ご飯を通して死んだ男性の記憶を思い出す『上島さんの思い出晩ごはん』

素性を知らないまま、一緒に暮らしていた男性「上島さん」。しかし彼は交通事故で死んでしまった。民子は彼の思い出をなぞりながら、今日も晩ご飯を食べる。そのうちに、民子の気持ちも変わっていき……。

ひたすら女性がご飯を食べる話です。内容的にはかなり地味なんですが、特徴的なのは食べることで彼女と上島さんの過去が明かされていくところです。

ただの飯テロ小説ではなくて、登場する食べ物とストーリーのテーマがきっちりかみ合っています。だからこそ押しつけがましくない形で感動できる作品になっています。

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ペンギンがバーテンダーのバーで安らぎを『真夜中のペンギン・バー』

悩める人々がたどり着き、一夜の不思議を提供する、不思議なバー。その店主はなんと、ペンギン!? 紳士的なペンギンのバーテンダーは、やってくる人々にお酒を出しながら、客の悩みに答えていく。そのバーでは、やってくるお客も不思議なようで……。

つらい毎日を過ごしているときに、雰囲気のいい飲食店に入って、そこで雑談をして、おいしいお酒を飲んで、また日常に帰っていく。その楽しさがにじみ出ていました。

こうして見ると飲食店ではただおいしい食事を出すことだけではなく、店の外観や雰囲気も含めてお客さんを楽しませ、非日常を味合わせることなのだと思います。一種のエンターテインメントなんですよね。

私はお酒を飲めないけれど、こういう交流があるならお酒も悪くはないなと思えます。

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いい根性してる女王とそれを支える菓子職人『アルジャン・カレール -革命の英雄、或いは女王の菓子職人』

革命のあと、再び女王が政権を取り戻したフロリア。万年スランプな劇作家のオーギュストは、小さな菓子屋を見つける。そこにいたのは、菓子職人アルジャン・カレール。オーギュストは、アルジャンの菓子屋に通い始める。

 まず、出てくる甘いものがおいしそうで楽しいです。実際に食べた味だけでなく、作り方やそれを作った経緯も含めて、おいしそうだと思える描写でした。ヒロインのひとりである女王、ロクサーヌがかわいいだけではなくかっこよくて、しかもなかなかいい根性しているところが最高でした。

みんなが豊かになれば、自分も豊かになってもいい。そして国を豊かにすることが、ロクサーヌの国民に対する贅沢の償いなのです。

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以上です。興味があるものがあれば読んでみてください。