ブックワームのひとりごと

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貴族令嬢は夢を叶えるために自ら魔術師の靴を履く―仲村つばき『シンデレラ伯爵館の靴箱館3 仮面の乙女は真を歌う』

シンデレラ伯爵家の靴箱館3 仮面の乙女は真を歌う (ビーズログ文庫)

 

あらすじ・概要

ディセント家の跡継ぎであるアランに縁談が来る。エデルとしか結婚したくないアランは、エデルに結婚を前提とした交際を申し込むことを決意する。アランはエデルを王都に連れて行き、そこでプロポーズを試みるが……。一方で、王都では路上で歌う仮面の姫が話題になる。その正体は魔術師の靴にまつわるもので……。

 

初デート面白コメディで笑う

初デートが面白コメディ状態で笑ってしまいました。それでいてシリアス展開の邪魔にならないので、バランスがよかったです。

皮の加工がめちゃくちゃ悪臭を伴うことを知らないアランの坊ちゃんっぷりや、慣用句を言葉通り受け取ってしまうエデルの生真面目さがもう面白かったです。一生やってろと思います。

そんなポンコツ展開も、ふたりの生真面目さの裏返しだと言うことがわかっているので安心感があります。

 

今回のゲストキャラシレーヌはアランの縁談相手。一生遊んで暮らせるだけの富と栄誉があっても、幸せとは限りません。ありのままの自分で愛されたい、実力で自分の価値を証明したいと悩む彼女に心が苦しくなりました。

夢を叶えるために自らの意思で魔術師の靴を履き、それでもその魔力に飲まれてしまう姿は悲しかったです。

シレーヌはメタ的な話をすれば決して物語の主人公にはなれないけれど、彼女の視点から見れば自分の人生の主人公は彼女しかいません。エデルの靴をきっかけに、自分の人生を自分の手に取り戻してくれるといいなと思います。

 

最後にお互いに言いたいことを言ったエデルとアランですが、内容的にはもっと波乱がありそうでどきどきします。続きも楽しみ。