あらすじ・概要
何度も手を洗ってしまう、コンピューターウイルスが怖くてウイルススキャンを繰り返してしまう、鍵がかかっているか何度も確認してしまう……。強迫性障害ゆえの行動に悩まされてきた著者は、治療のため認知行動療法を受けることを決意。暴露療法を繰り返し、少しずつ脅迫的な行動を減らしていく。
具体的な治療法が描かれていていい
治療の内容がかなり具体的に描かれていて、「強迫性障害の治療ってどういう風にやるの?」という疑問を持つ人にはわかりやすい本です。
暴露療法とそれに伴うワークが丁寧に説明されていて、強迫性障害になったことのない私でも想像しやすかったです。
強迫性障害である著者がテレビに出て強迫性障害への理解を訴えるくだりもあり、勇気を出して人前に出る著者はかっこよかったです。
また、テレビに出ることがひとつの暴露療法となり、病気への考え方も変わったところがよかったです。
私も強迫的……というほどではないものの、怖くてできないことがいくつかあるので、暴露療法についてはちょっと身につまされました。不安との付き合い方を考えないとですね。
こういう病気はきれいに治るわけではないので、著者がこの本を出した後もいろいろ悩むことがあるでしょうが、治療についてとても前向きに描かれています。これから強迫性障害を治したいと思っている人にはおすすめの一冊です。