ブックワームのひとりごと

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がんになったライターが手術の後もストレスに悩まされる―内野こめこ・藍原育子『がんの記事を書いてきた私が乳がんに!? 育児があるのにがんも来た』

がんの記事を書いてきた私が乳がんに!? 育児があるのにがんもきた (コミックエッセイ)

 

あらすじ・概要

健康関連のライターとして生活し、がん関連の記事も書いていた著者。そんな著者は乳がんの宣告を受け、乳房を取って再建手術を受ける。無事手術は終わったが、再発に怯え、友人の言葉に一喜一憂し、強いストレスの中生活することになる。がんになった人の終わらない悩みとは……。

 

うじうじした内容だけど病の人間の心理状態がわかる

著者がうじうじしてるシーンが多く、あまり読んでいて楽しい内容ではないんですが、一方で、闘病ってこんなもんなんだろうなというリアリティがあります。

健康関連のライターで、がんの話を何度も書いてきた著者が、周りの人の意見に一喜一憂し、「がんを再発させない方法」を延々と調べたり、スピリチュアルに頼ったりしてしまいます。

これを見ていると、理屈では病や死の恐怖を受け入れられないと言うことがわかります。著者のことを愚かだと言うのはたやすいけれど、このくらいの愚かさは誰にでもあるのもだと思います。

私も初めて乳がん検診にひっかかったときはめちゃくちゃ怖かったのを覚えています。

 

著者の心理状態が好転し始めたきっかけが、「思い切って口に出して夫に頼ってみる」ということだったのも興味深かったです。夫も、支えたい気持ちはあったけどどう支えていいのかわからなかったんでしょうね。

「口に出して頼る」のは本当に大事だなと思います。

夫は夫で、子育てを全うしていたことがおまけ漫画でわかるのがよかったです。

 

「がんになったけど治りました!」ではなく、がんになった人間の心理状態について描かれた作品でしたが、これはこれで参考になりました。