あらすじ・概要
都会の生活に疲れ、瀬戸内海の憧れの島、直島に移住してきた著者。地元のカフェでアルバイトをしながら古民家で生活をしていく。同じアルバイト仲間のなっちも同居することになり、自然と食べ物が豊かな島で、おんぼろ家屋で工夫しながら毎日を過ごしていく。
「住みたい場所に住む」という夢を叶えた人の話
直島、一度行ったことがありますが確かに景色はめちゃくちゃ美しい場所でしたね。瀬戸内海は海と山の両方の良さがあるのでお得感があります。
きれいな場所で暮らせてハッピー! で終わりではなく、ぼろぼろの古民家で虫やすき間風と戦う話や、お金のことなど、シビアな話も描かれています。夢を叶えた人の話ではあるけど、甘ったるいきれいごとの話ではないところが好感を持てます。
でもそういう苦労の話も笑い飛ばせるような楽しい雰囲気で描かれているので、読む側としては面白いです。
島で暮らす人たちの文化も面白くて、島の車と本土の駐車場に置いている車とで、自家用車を使い分けているとか、島っ子(島で育った子どもたち)は小学校からずっと一緒なのでお互い恋愛対象にならないとか、普通に暮らしていると気づかないエピソードが多くて面白かったです。
こういう日常の文化って逆に本になかなか載らないから、エッセイで読めると嬉しくなりますね。
実際のところ笑い飛ばせることばかりではないとは思いますが、「住みたい場所に住む」という夢を叶えた人の話としては面白かったです。