ブックワームのひとりごと

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日本で育ったアフリカ少年のカメルーンと日本の家族の話―星野ルネ『まんが アフリカ少年が日本で育った結果 ファミリー編』

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まんが アフリカ少年が日本で育った結果 ファミリー編

 

あらすじ・概要

日本人とカメルーン人の間に生まれ、アフリカで生まれ日本で育ったカメルーン人、星野ルネは、その外見から先入観を持たれることが多かった。そんな彼は家族とのエピソードやカメルーンと日本の文化の違いなどをコミックエッセイとして発表。「異質なもの」として育った人から見た多様性とは……。

 

説教臭くなく「多様性とは何か」考えたくなる

基本ギャグのノリで明るい漫画なんですが、一筋縄ではいかない「多様性の実現」のことを描いています。

 

著者や、著者の家族は容姿が他人と違うことでからかいや注目の対象となり、偏見で見られ……という現状を、面白おかしくユーモアを交えて描いています。

一方で、著者自身もまた、日本にやってきた外国人をついつい先入観を持って見てしまい、それが明らかになったときもまた笑いのネタにします。

「あなたは偏見を持っています。でも私もなんですよ。わはは!」という内容なので、説教臭くないんですよね。だからこそ読みやすく、優しいところから「多様性って何だろう」と考え始めることができます。

 

日本とカメルーン、ふたつの故郷を持つ彼自身だからこそ発信できるメッセージや価値観があり、だからこそ面白いんですよね。

 

同時に「日本在住の外国人が著者みたいにポジティブになれたり自分の不遇をネタにできたりするわけではないだろうな……」とも思うので、同じような境遇の人の別の意見も聞いてみたいです。