ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

エッセイ漫画家が骨髄ドナーになって体験した感情―水谷さるころ『骨髄ドナーやりました!』

このブログには広告・アフィリエイトのリンクが含まれます。

骨髄ドナーやりました! (ヤングキングコミックス)

 

あらすじ・概要

献血好きの気持ちが高じて骨髄ドナーにも登録していた著者。そんな著者の元に、骨髄ドナーマッチング成立の手紙がやってくる。入院までの検査や準備、手術と病院生活、骨髄提供後の暮らしなどを、コミックエッセイにして語る。骨髄提供の真実と、面白さとは……。

 

骨髄ドナーのあらましがわかる体験記

骨髄ドナーの体験記漫画を初めて見たので、知らない情報がとても多く、面白かったです。

まず骨髄ドナーに選ばれるまで、手術の流れ、手術のその後までをストーリーとして追えるところがよかったです。骨髄ドナーに登録してみたいけれどどんなものなのかちょっと怖いという人は参考になるのではないでしょうか。

 

著者自身はもともと献血好きで献血会場で骨髄ドナー登録に勧誘されたこともあって、徹頭徹尾骨髄ドナーに協力的ですし、手術への恐怖もさほど感じていません。

しかしドナーの相手が「60歳男性」だと知ったとき、「薄幸の美少女じゃないんだ」と一瞬頭をよぎり、その自分の感情にショックを受けてしまいます。私も笑っていいやら悲しんでいいやらわかりませんでした。

別にドナー自身が悪人ではなくても漠然と「理想の骨髄提供」を想像してしまうこともあるし、だからこそ「ドナーは提供相手を選べない」という原則は大事なのだなあと思います。

 

私は持病持ちなので献血はできないし、骨髄ドナーも難しいだろうと思いますが、「自分が人に健康をお裾分けできるくらい健康なのは嬉しいこと(P129)」という著者の言葉には感銘を受けました。

この本を読んで、「骨髄ドナーをやってみたい」と思う健康な人が増えてくれたら嬉しいことですね。