あらすじ・概要
人前で話すことにひどく緊張する、人付き合いが苦しい。病院に行くと不安障害と診断されたが、治療はうまくいかない。ときに自殺を考えた著者だったが、死にきれず治療を続けることを決意する。二度のカウンセリング、何度も挫折した薬物治療を経て完解を迎えた著者の今の心境とは。
精神疾患の人の悩みは海を越えても変わらない
韓国のコミックエッセイですが、精神疾患の人の悩みは海を越えてもあまり変わらないのだなと思います。
病気のことで周囲とわかり合えない、熱心で相性が合う医者が見つからない、薬物治療が効いているのかいないのかわからない、など、日本でも聞いたことのある困りごとばかりでした。
はたから見ると途中で治療をやめてしまう著者にイラっとしてしまうかもしれませんが、精神疾患の人は病院に通うのも一苦労ですし、聞くかどうかわからない治療を続けるのってやっぱり不安なんですよね。薬物治療が第一と言ってもやめたくなるのはわからなくもないです(それでもやめない方がいいけど)
二度の再発を経て、著者は治療「される」のではなく自ら積極的に治療に関わるようになります。自分からカウンセリングに行ったり、合わないけれど薬を出すのは正確な病院に行き、薬物治療を継続したり、自ら自分の病気について調べたりします。
それをきっかけに著者の状況は少しずつ好転していきます。
著者と境遇は違いますが、私も「自分」が治療に積極的になったら、だいぶ具合がよくなったのでこのくだりはわかります。まあ積極的になる元気もない場合もあるんですけど……。それでも能動的になるって大事ですよね。
不安障害についてのコミックエッセイは珍しいし、私も病的というほどではないけれど不安を感じやすいタイプなので参考になりました。作中に書いてあった清掃業エッセイも読んでみたいですね。