あらすじ・概要
妖精さんが作った計量スプーンを手に入れた「わたし」。それを頭につっこむと、みるみるうちに体が小さくなった。「わたし」は小さいまま外の世界で大冒険をする。「わたし」と「助手さん」の出会いを描くタイムスリップストーリー含む二編を収録。
パロディ過多のミクロの冒険
妖精さんの不思議なスプーンで小さくなってしまった「わたし」。
『ガンバの冒険』パロ、『おやゆび姫』パロ、『アルジャーノンに花束を』パロと立て続けにパロディをする展開でした。
ちなみに『ガンバの冒険』も今(2023年3月)KindleUnlimitedに入っているので興味がある人は読んでみてください。
インドアで人見知り、怠け者の「わたし」が小さな世界で大冒険する姿は笑えました。
唐突に語彙力満点の語り方でハムスターを威嚇するオコジョ、「わたし」が勉強を強いられていたときに現れた謎のロボ、などギャグが冴えわたっていました。
タイムスリップ話は難解で一読ではわからず、今読み返してもよくわからないところが多かったです。
しかし多数の「わたし」が「助手さん」について語り続けることで彼のアイデンティティが生まれた、ということなんですかね。
それぞれの時間軸の「わたし」が助手さんのために尽力していると思うと、それはそれでロマンチックなのかもしれません。