ブックワームのひとりごと

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コンビニ夜勤をする吸血鬼が女子高生の問題を解決―和ヶ原聡司『ドラキュラやきん!』

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ドラキュラやきん! (電撃文庫)

 

あらすじ・概要

吸血鬼の虎木は、コンビニ夜勤をしながら人間世界で生活していた。そんな虎木の家にシスターが転がり込んでくる。彼女、アイリスは人ではない存在「ファントム」を狩る存在だった。そんな中、コンビニ店長の娘が怪しげなライブハウスに通っていることが判明し……。

 

現代に生きる吸血鬼が事件解決

コメディかと思ったらどちらかというと事件ものでした。

虎木が家に転がり込んできたヒロイン、アイリスと共に怪しげなライブハウスにのめり込む女子高生を助けます。

ヒロインのアイリスが年下の女の子には優しく、お姉さんの立場で接するのがよかったです。ちゃんと自分は助ける側であるという自覚のある女性っていいなと思います。日常パートではトンチキでテンプレ的なところもありますが、こういう描写があるとキャラクターに深みが出ます。

虎木も一切女子高生を性的な目で見ずに助けるところがよかったです。

 

主人公に巨大恋愛感情を抱くサブヒロインもいますが、主人公が彼女の気持ちに答えられないのも納得感があります。重すぎるのもそうですがこれは付き合えないよな~という設定があります。こういう「どうして○○できないの?」という理由がちゃんと用意されているのは嬉しいです。

 

すごく尖った内容ではないですが、理由付けや描写が堅実で好きです。