あらすじ・概要
藤木光太郎と冬子の夫婦の元に、ある日、梶原薫という青年が現れる。彼は、孝太郎と冬子共通の友人である、梶原透の息子だった。冬子をめぐって、梶原透と奇妙な三角関係を築いていた孝太郎は、薫と出会ってさまざまな感情を思い出す。なぜ梶原透は、ふたりの元を去ったのだろうか。
関係性は美しいけどベラベラしゃべるおじさんおばさんに違和感がある
面白かったんですが、ひとつ大きなツッコミどころのある作品でした。
三角関係ではあるけれども、三人で安定した関係を続けていられるというストーリーは魅力的でした。
そしてどうしてその三角関係が、瓦解したのかも美しい物語でした。
既存の恋愛における「こうあるべき」という発想から離れ、自分なりに人生を歩んでいくキャラクターは好きです。
しかし、そのエモーショナルさを踏まえても、「息子ほど年の違う男の子にベラベラ巨大感情を吐き出すおじさん・おばさん」キャラクターっておかしくないですか?
私がこの薫だったら、「この人親世代の恋愛をベラベラしゃべって変な人だな」って思いかねないですよ。
薫が何か事情があって積極的に親の恋愛話を聞きたいとか、そもそも作品全体の倫理観が狂っているとか、そういう工夫がほしかったです。