あらすじ・概要
近年、高齢ドライバーの事故が多発している。お年寄りを事故の加害者にしないために、何ができるだろうか。人々が家族の中ののお年寄りに免許返納をお願いした実例から、行政側からできる努力についてなど、高齢ドライバー問題を考える一冊。
免許返納のために行政ができること
高齢ドライバー問題のあらましとしてはだいたい知っている通りです。しかし、登場する高齢ドライバーについての具体的な例が興味深かったです。
高齢ドライバーは車の運転自体を生きがいにしている人が多く、免許返納をきっかけに認知症になってしまう人もいます。
絵やパズルなどの車以外の趣味を見つけて落ち着いて暮らしている人もいれば、そのまま徘徊を繰り返すようになる人もいます。
免許返納以前に、車以外の楽しみを見つけることも大事なようです。
また、免許返納を難しくしているのは、郊外~農村部が車移動ありきで発展してきたという理由もあります。車がなければ移動が難しい町で、車に乗らないのは難しいです。
車移動ありきの社会を見直し、公共交通機関で町のめぼしい施設を回れるようにする取り組みもなされています。
高齢ドライバーの問題は、認知症の問題やまちづくりの問題にかかわっていることがわかった本でした。