あらすじ・概要
漫画家の山岸涼子は、原稿中にアシスタントと話している。そんなとき、怪談話に花を咲かせるときがあり……。幽霊の目撃体験、虫の知らせや未来予知、不条理で不思議は名無しなど、漫画で実話怪談を描いた本。
漫画家たちの奇妙で怖い話
私が苦手なグロネタやびっくりネタがないので、それほど怖くはありませんでした。しかし、少女漫画黎明期に、漫画を描くために集まった若い女性たちが怪談話に花を咲かせる、という状況が面白かったです。
パソコンもスマホもない時代、漫画はアシスタントと漫画家が集まって描くのが一番効率的で、作業をしながら濃密な怪談話をします。デジタルで原稿のやりとりをする今とは全く違います。
昔の話なので、今ではレジェンドとなった漫画家たちがぽんぽん出てくるのも趣深いです。
怪談としては、ほどほどの怖さで読みやすかったです。かつての親しい人が幽霊になって戻ってきてくれたり、虫の知らせや予知能力だったり、ホラーという感じではない話も多いです。
ふにゃっとした絵柄なのに、幽霊を描くシーンだけ等身が高くなって絵柄もしゃんとするのが面白いです。
怖がりの人にはおすすめしませんが、興味深い作品でした。