ブックワームのひとりごと

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【ツッコミどころもあるがまあ楽しめた】竹宮惠子『地球へ…』感想

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地球へ…[カラーイラスト完全版デジタルエディション] 1巻

 

あらすじ・概要

遠い未来、人類は成長段階やエリート非エリートで区分され、それぞれの星やコロニーで暮らしていた。育英都市で育ったジョミーは、ある日不思議な力に目覚める。彼の目の前に現れた人々は、彼のことを新人類「ミュウ」だと告げる。ミュウとして生きていくことになったジョミーは、やがてミュウのリーダーとなる。

 

ツッコミどころもあるがまあ楽しめた

ストーリーや世界観にツッコみどころのある作品ではありましたが、まあまあ楽しめました。

特に目を引いたのはカラーイラストの上手さで、広大な宇宙に浮かぶ宇宙船や、ミステリアスなキャラクターの容姿などが美しかったです。

電子書籍なので、印刷費を気にせずにカラーイラストを収録できるところはいいですね。

 

ストーリーの点ではスケールの大きい単位で宇宙を駆け巡るのが面白かったです。今の科学知識だとワープは無理だとか宇宙船の限界だとかが言われてしまうので、こういうスケールの大きさは表現できないんですよね。

それから大きな戦争が起こっているのに、一般市民はその戦争の意味をわかっていなくてぼんやりしているところはリアルでした。戦争があっても命の危険があっても実感がなければ、こんなものなのかもしれません。

 

一方で、不満なところもありました。最終的にミュウと人類の和解、もしくは決別が描かれずに終わったからです。ミュウと人間がどういう関係を築くのかという話をずっとやっていたので、ここはきちんと結論を出してから終わってほしかったです。

意味深な終わり方を目指したのかもしれませんが、すっきりしない気持ちになりました。