ブックワームのひとりごと

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『旦那が突然死にました』せせらぎ エムディーエムコーポレーション 感想

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旦那が突然死にました。

 

あらすじ・概要

ある日突然夫が急死し、著者は子どもたちとともに取り残される。愛する人を失った悲しみに襲われ、シングルマザーとしての子育てに奔走する毎日を送る。泣いたり笑ったりする日の中で、家族の死と向き合っていく。

 

好きな人を失うことは論理的でなくなってしまうほどつらい

好きな人を失うということは重い、そう思う一冊でした。

作者の行動には一貫性がなく、ポジティブになったりネガティブになったりを繰り返します。しかし、作者が愚かだからではなく、パートナーを失うということは論理的な一貫性を失ってしまうくらいつらいことなんだと思いました。

信心のない著者が占いをやってみたり、スピリチュアルなアドバイスを受けたりするのに何とも言えない気持ちになりました。しかし、理屈で彼女にアドバイスができたかというと無理でしょう。カルトにはまらない程度であれば、宗教的なものに頼るのもありかもしれません。

 

著者と夫は死別の前にけんかをしており、仲直りをしないまま葬式の日を迎えてしまいます。

何があったのかは詳しく描かれていませんが、「許してあげればよかった」ではなくその行為自体は許せていないようなのが印象深かったです。

その人を愛していることと、許せるということは別の話というのはわかる気がします。私も、好きな人であっても「このことは許せないなあ」と思っていることはあります。

人間味のある、趣深いシーンでした。

 

あまり面白がってはいけないテーマかもしれませんが、それでも面白かったです。著者とお子さんがなるべく幸せな人生を歩めるといいなと思います。