あらすじ・概要
著者の母は格安物件の大家をしている。格安物件なだけあって、訳ありな住人たちが多く、彼女は振り回されっぱなしである。住民たちとのへんてこなトラブルを主に、部屋を借りるときに気をつけたいこと、不動産を買うときに気をつけたいことなども描いたコメディコミックエッセイ。
ありえないトラブルを描きつつ露悪的すぎなくてよかった
露悪的すぎる話だったら悲しいなと思っていたんですが、読んでみたら人情味のある話題もありそんなに苦しくならずに読めました。
大家である著者の母が何だかんだ住民たちのことを気遣い思っているところがよかったです。それが裏切られることも多々あるのですが。
この方のアパートは、ある意味地域のセーフティネットとして機能していたのではないか、と思うとばかにはできない仕事です。
ほとんどはよくない店子の話題な一方で、ちょっといい話で終わる回もあり、そういう四コマを読むとほっとしましたね。
共用スペースを荒らされるとか、トラブルで夜逃げをされるとか、もちろん生々しい話も合って興味深かったです。
夜逃げの話題は、自分にとって身近でないだけに面白かったです。逃げるだけならともかく、家賃滞納したままバックレられるのはつらいです。
あと、どう考えても店子が悪い場面でも「契約書に書いていないから」で逃げられる状況もあり、契約書って大事だなあと思いました。
不動産なんて不労所得でしょう? という価値観を打ち破る話でした。働かずにお金が儲かるのは、ごく一部のお金持ちだけなのでしょうね。
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