ブックワームのひとりごと

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 『民主主義という不思議な仕組み』佐々木毅 ちくまプリマ―新書 感想 民衆は政治のためにどう関わっていくべきか

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民主主義という不思議な仕組み (ちくまプリマー新書)

 

あらすじ・概要

日本では当たり前のものとなっている民主主義。しかし、そこには重層的な問題がある。民主主義の各国の歴史や、民主主義における矛盾や欠点を述べつつ、これからの民主主義を考える。選挙や代議士ありきではない、能動的な政治の在り方とは何なのか。

 

選挙や代議士だけではない民主主義

正直わかりづらいところもありましたが、民主主義にはさまざまな限界があり、それをなんとかするには民衆の力が必要なのだなと思いました。

さかのぼれば古代ギリシャからある民主制は、アメリカやイギリス、フランスなのでも現れ、「選挙で政治家を選ぶ民衆」が現れます。しかし、それでよかったねとはなりませんでした。

国会議員を市民が選ぶ代議制では、市民が思ったことを直接政治の世界に伝えられるわけではありません。同時に、特定の人々だけ得する政策だけで票を集め、国全体の政治のバランスは何も考えていないという状況も起こってしまいます。

 

著者は、このような民主主義のもつ欠点を解消するには人々が政治に参加することが大事だと説きます。票が取れなくてもマイノリティがきちんと発言し、意に沿わないことをやらせようとされれば非服従で対抗します。

 

著者はナショナリズムについては否定的ではありません。植民地の解放も、ナショナリズムから始まりました。ナショナリズムは毒ですが、薬にもなります。私はそこまでナショナリズムに楽観的ではないですが、こういう意見もあるんだなと思いました。

 

 

 

『はじめてのフェミニズム』デボラ・キャメロン ちくまプリマ―新書 感想

「自分らしく」生きられる社会はなぜこんなにも苦しいのか―宇野重規『〈私〉時代のデモクラシー』 

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