あらすじ・概要
忍術学園の教師、土井半助が行方不明となった。忍術学園の教師陣や、上級生たちは彼を探して奔走する。一方土井と同居していたきり丸は、周りより一足早く土井の行方不明を知る。きり丸は、自分を心配してくれた友達とともに土井を取り戻すことを決意する。
土井先生を取り戻しながら戦争回避する話
1年は組の土井先生が記憶喪失になり、さらには忍術学園について誤った知識を植え付けられて敵の軍師となる話です。
同時に、忍術学園による戦争回避の話でもあります。『ドクタケ忍者隊最強の軍師』の主人公である土井先生ときり丸は戦災孤児です。このふたりの価値観としては戦争は肯定できないだろう、と思いました。作中にところどころ挿入される彼岸花のモチーフが、戦争の恐ろしさを感じさせます。
アクションシーンだけではなく、人探しをしたり流通を監視したり潜入したり、スパイとしての忍者の描写が多いのが面白かったです。ちゃんと忍者をやっている……。
子どもである一年は組ですら彼らはスパイとしての教育を受けた子たちなんだな、ということを思います。兵糧のこととか潜入のこととか一般人が思いつくことじゃないんですよ。
そんな考証の面白さと同時にサングラスが堂々と出てきたり(眼鏡ができたのは最近)、登場人物が潔くカタカナ語を使っていたり素直に現代的なもの出てきてしまうのも笑いました。突然アイドルみたいな楽曲流れたのはめちゃくちゃ笑いました。繰り返される天丼ギャグ。
忍たまは子どものころ見たきりだったんですが、そうそう忍たまってこういうギャグだったな、と懐かしくなりました。
しかし天丼ギャグが伏線になるとは思わないでしょう。
スパイミリタリーな部分が多いですが、味方側の主要登場人物はみんな戦争に否定的であり、そういうところは安心して見られました。
土井先生は戦争に加担せずに済んでよかったな……としみじみ思いました。