ブックワームのひとりごと

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難病になった女性の悲しみと希望―島津郷子『漫画家、パーキンソン病になる』感想【Amazon Prime Reading】

漫画家、パーキンソン病になる。 (ぶんか社コミックス)

今日の更新は島津郷子『漫画家、パーキンソン病になる』です。

プライムリーディングからダウンロードした一冊です。

 

あらすじ

漫画の連載中、謎の手足のしびれを自覚するようになった漫画家、島津郷子。ドクターショッピングを繰り返し、診断を貰おうと奔走する。パーキンソン病と診断された彼女は、脳に電極を埋め込む手術を行うことを決意した。

 

つらいけれど悲しいだけではない

パーキンソン病の症状があるのに、どこへ行っても「パーキンソン病ではない」という診断をもらうくだりは辛かったです。医者側にどういう理由があったかはわからないんですが、著者の言葉に耳を傾けず、データばかりを見ていたのがなんだか虚しいですね。

最終的に、著者が書いた病状を記した手紙で診断をもらったのは、いろいろ遅すぎる! と漫画の中に呼び掛けてしまいました。

その一方で、それだけ難病の診断をすることは、医者にとっても難しいことなのだろうと思います。そうでなければ、世の中の難病の人がこんなに苦労はしないでしょう。

 

と、読んでいてつらいシーンが多いエッセイコミックでしたが、それでいてちゃんと希望や優しさが描かれているのがよかったです。

入院先での、他の入院患者たちの交流や、身近な人が助けてくれたこと。そういう何気ない部分での感謝が描かれているのはほっとしました。

この漫画の中で一番描きたかったのは、周りで支えてくれたたくさんの方たちへの「感謝!」でした。

(ロケーション260 あとがきより)

そういう漫画だったからこそ、悲しいシーン、つらいシーンも少し客観的に見ることができました。

嬉しかったこと、感謝していることはえてして忘れがちになってしまうので、こういうものの見方をできる著者はかっこいいと思いました。

もちろん描くために思い出している部分もあるでしょうが、そういう風に描こうと思ってくれたことが読者として嬉しいです。

 

まとめ

かなりつらい漫画ではありますが、暗いだけではなかったところがよかったです。人の優しさや気遣いにほっとした作品でもありました。

このエッセイ漫画がたくさん売れて、印税が闘病の役にたつといいですね。この先も大変でしょうが、しぶとく生き残ってほしいです。

漫画家、パーキンソン病になる。 (ぶんか社コミックス)

漫画家、パーキンソン病になる。 (ぶんか社コミックス)