ブックワームのひとりごと

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「憑かれた」テニス少女の地獄の道行き―甲田学人『霊感少女は箱の中2』

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霊感少女は箱の中2 (電撃文庫)

今日の更新は、甲田学人『霊感少女は箱の中2』です。

久しぶりに続刊に手を出したけれど、だいたい内容を覚えていてよかったです。

 

あらすじ

交霊サークル「ロザリア・サークル」の手伝いをするようになった柳瞳花。そのロザリアにテニス部の的場茜から依頼が舞い込む。それは交霊会をきっかけに人が変わってしまった友人についての相談だった。

 

育ちのいいクレイジーなひとたちの末路が楽しみ

今回はそんなにグロくなく、どちらかというと怪談的な怖さだったので好きでした。グロいのはちょっと苦手だからなあ。

文字通りの「人が変わったような」展開にぞくぞくしました。

「変わりたい」と思うことは普通のことで、でもそれをホラーとして書いちゃうところはすごいです。

はたから見ればポジティブな変化なのに、一部の人にはそうではない。その違和感を恐怖として書いています。

そしてオチが「性格悪い!」と思いました。こういうところが作者らしいんだよな……。

 

学年総代のクレイジーな人たちも登場。魔窟だ……。

こういう育ちの良さによって性格が歪んでいる人ってキャラクターとしては結構好きです。

ホラーの定石としてはこういう人たちにひどい目に遭ってほしいです。今後に期待です。

彼らは真央の過去と密接にかかわりがあるようで、どろどろの関係の一端が垣間見えました。わりとどろどろ展開好きなんですよね。

人間関係がどこまで混沌としていくのか、見ものですね。

 

ちょっと不満だった点としては、首吊り、女の子たちの××な友情……という、前のシリーズとかぶるネタがでてきたところ。やっぱり新シリーズなのだから別のテーマを見たかったです。

このシリーズで作者を知った人には違和感ないでしょうが。

 

まとめ

 ホラー感マシマシで面白かったです。

ただ三巻以降しばらく刊行が止まっているので、打ち切りじゃないか心配です。こういうのが推しは推せるときに推せってやつですね。(早く買えという意味で)

 

 前の巻の感想はこちら。

honkuimusi.hatenablog.com