ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

エッセイ

『大震災自閉っこ家族のサバイバル』高橋みかわ編著 ぶどう社 感想

東日本大震災のとき、自閉症の人たち「自閉っこ」はどうしていたのだろうか。自閉症の人がいる家族が震災当時どうしていたのかを、手記の形式で語る。そこで見えてきた近隣住民との絆と、絆では解決できない問題。災害時に自閉症の人をどう助けるべきか語る…

『つらいと誰かにいうことが一番つらいから』もちぎ 扶桑社 感想

同性が好きなゲイであり、生計を立てるために売春し、波乱万丈な人生を生きてきた著者。そんな著者が周囲の人たちに「つらいと言えない」ことをテーマにインタビューする。十人十色の「言えない」事情、そしてつらさを抱えながらも生きていくヒントを知るコ…

『バルセロナで豆腐屋になった――定年後の「一身二生」奮闘記』清水健宇 岩波新書 感想

あらすじ・概要 新聞記者だった著者は第二の人生としてバルセロナで豆腐屋をやることにする。開業直後のごたごたを乗り越え、コロナウイルスによるロックダウンを経験し、ついには日本に帰国する。異国の地で、豆腐屋として過ごした生活を語る自伝的新書。 …

『桜庭一樹のシネマ桜吹雪』桜庭一樹 文藝春秋 映画レビューとその延長戦の日常

あらすじ・概要 小説家の桜庭一樹は映画が大好きだ。頻繁に映画を見ては楽しんでいる。彼女が見た映画の中から面白いものを選び、見て思ったこと、自分と似ていると感じたこと、あるいは社会と映画の関係などを書き出す。もっと映画が見たくなる映画評本。 …

『精神科とカウンセリングに通ってみた話。:鬱&発達障害&離人症患者の治療レポ』すしの KDP 感想

あらすじ・概要 離人症や発達障害・うつ状態に悩まされている著者はさまざまな医者に通い、カウンセリングを受けてみるがうまくいかない。自分を治すにはどうすればいいのか、著者の模索が続く。精神疾患の治療が上手くいかない人のことがわかる本 いい治療…

『東京ディストピア日記』桜庭一樹 河出書房新社 コロナ禍、情報の渦の中にいたあの頃の日常

あらすじ・概要 新型コロナウイルス流行時、著者である桜庭一樹は東京で暮らしてきた。中国で発生したパンデミックは世界中に波及し、やがて日本も飲み込んでいく。マスクの品不足、飲み会や会食の自粛、そして外出自粛……。目まぐるしく変わっていく情報に押…

『パート主婦の同人副業』倉くらの KDP 感想 DL同人で収益化を目指す話、KindleUnlimited編

あらすじ・概要 DL同人を売っているパート主婦の著者は、Kindle Unlimitedで著書が跳ねたことをきっかけに確定申告しなければいけないほどには収入を得る。Kindle Unlimitedで跳ねるまでの経緯、これからDL同人をやる人へのアドバイス、そしてこれからやりた…

『見ることの塩 イスラエル/パレスチナ紀行』四方田犬彦 河出書房新社 上下巻  約束された土地で行われる呪い、暴力

あらすじ・概要 著者はイスラエルで日本語講師として滞在することとなる。イスラエルで働きながらも、イスラエル領内の各地を巡る。そこで目にしたのは、パレスチナ人への強い弾圧、差別、そしてイスラエルが抱える政治的矛盾だった。実際に見て、歩くことで…

『チェーン・スモーキング』沢木耕太郎 新潮文庫 感想 ハードボイルドで日常的なエッセイ

あらすじ・概要 作家の著者が日常について語る。飛行機に頻繁に乗り遅れそうになること、納豆についての話、人と話したり本を読んだりしたこと……。何気ない日常から気づきを取り出してみるエッセイ。 相変わらず文章が上手い 相変わらず文章が上手い……という…

『35歳、働き女子よ城を持て!』高殿円 角川書店 感想 家を買うって非合理だけどいい家を買いたいじゃん

あらすじ・概要 作家、高殿円と、契約社員の編集者で年収300万円の女性が、「30代の女性が家を買うなら?」というテーマで体当たり取材。不動産にまつわる本音や、法制度、管理組合のことなど、つまづきやすい部分を解説していく。よりよい家を買うために、…

『SFのSは、ステキのS』池澤春菜 早川書房 感想

あらすじ・概要 SF好きの池澤春菜。彼女が日常にSFを見出したり、SFをテーマにしたゲームをやったり、SF関連のコンテストの審査をやったり……。SFの楽しさを伝えながらも、SFが持つ課題点についても語る。SFを読む楽しさと、フィクションをめぐる問題提起があ…

『神戸 難民日誌』津村喬 岩波ブックレット 感想

あらすじ・概要 神戸の埋め立て地、ポートアイランドに暮らしていた著者は、阪神大震災を経験する。当時の神戸の雰囲気、人々の姿を文筆家の立場から語る。被災者から見た、震災後の神戸の希望とは。 良くも悪くも当時の文章、とある文筆家の日記 良いところ…

『イラクの戦場で学んだこと』岸谷美穂 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 紛争地帯の人々を支援するNGOで働く著者は、20代にしてイラクの紛争地域に行き、現地チームのリーダーとなる。現地スタッフとのコミュニケーションに悩み、政治のごたごたに巻き込まれ、戦争や治安悪化により自らの命もあやうくなる。 紛争地…

『書いた同人小説を売りたいのでいろいろやってみた!』倉くらの KDP 感想

あらすじ・概要 一次創作の同人小説を電子書籍で販売している著者。どうせ売るからには、たくさんの人に買ってもらいたい。著者が行った販促活動の結果や、投稿サイトによる傾向をまとめたエッセイ。 電子書籍で同人小説を売りたい女性の試行錯誤が面白い 前…

他人の人生を垣間見る、ジャンル別!エッセイ本のおすすめ20選

コミックエッセイのまとめはときどき書いていますが、文字のエッセイのまとめは最近書いていないな……と思い書きました。 書影をクリックするとAmazonリンクへ飛びます。 異文化 『JK、インドで常識ぶっ壊される』熊谷はるか 『「国語」から旅立って』温又柔 …

『心の傷を癒すということ』安克昌 角川ソフィア文庫 感想

あらすじ・概要 阪神大震災を経験した精神科医、安克昌。彼は阪神大震災とメンタルヘルスの問題について語る。災害直後の人々の精神状態から、精神疾患の人たちの病状悪化や苦悩、復興期に取り残される人たちのことなど、経験者ならではの視点で表現する。災…

『トロピカル性転換ツアー』能町みね子 文春文庫 感想

あらすじ・概要 性同一性障害を抱える著者は、タイで性別適合手術を受けることとなる。タイにおける入院生活や、体の変化、性別適合手術の独特の事情など、笑いを交えて発信する。当事者によるエッセイ体験記。 タイに性別適合手術をしに行く 面白おかしく書…

『被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40』アベナオミ 学研プラス 感想

あらすじ・概要 東日本大震災によって被災した漫画家・イラストレーターのアベナオミ。幸運にも家族全員が生き延びた彼女は、日々の生活に防災を取り入れるようになる。防災に役立つグッズや習慣、防災にまつわるコミックエッセイを収録。 自分が助かること…

『古文書返却の旅―戦後史学史の一齣』網野善彦 中公新書 感想

あらすじ・概要 日本史を研究していた著者は、各地方から借用した古文書が借りたまま返せていないことから、古文書返却の旅に出る。著者は各地を回り、不義理を謝罪しながら、学者の地元民への軽視を考える。日本史研究の負の側面を伝える新書。 研究者の後…

『JK、インドで常識ぶっ壊される』熊谷はるか 河出書房新社 感想

あらすじ・概要 家庭の事情でインドに移住することになった著者家族は、インドの文化の違いにカルチャーショックを受ける。インドの宗教や食文化、貧困や犯罪の問題。やがで著者はボランティアサークルに所属し、そこでの活動から社会のと関りや、社会にとっ…

【軍事学者が語る、侵略国家になってしまった国の日常と文化】小泉悠『ロシア点描 まちかどから見るプーチン帝国の素顔』

あらすじ・概要 ウクライナへの侵略によって、「プーチン帝国」と独裁国家として語られるようになったロシア。そこで日常を過ごす国民たちはどんな暮らしをしているのか。軍事学者である著者は、自身のロシアでの生活を振り返りながら、ロシアに生きる人々の…

【脳に後遺症を負って家事のできない伴侶を理解した】鈴木大介『されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間』

あらすじ・概要 著者、鈴木大介は、情緒不安定で自傷行為を繰り返す恋人と結婚する。自傷行為は鳴りを潜めたものの、片付けや料理ができない、朝起きてくることができない「お妻様」に強いストレスを感じる。ある日ふたりは短期間で病に倒れ、それをきっかけ…

【なぜ私はカルトな世界を信じられないのか?】村田沙耶香『信仰』

あらすじ・概要 スピリチュアルな何かを信じられず、「現実」ばかりを見ている主人公は、「カルトをやらないか」という誘いに乗ってみる。表題作ほか、他者に馴染めない、どこか心ここにあらずな人々を描いた短編&エッセイ集。 全体的に「普通」に生きられな…

海の哺乳類を解剖する生物学者の日常と、生き物の不思議―田島木綿子『海獣学者、クジラを解剖する~海の哺乳類の死体が教えてくれること』

あらすじ・概要 日本には、実は多くの海の生き物が漂着(ストランディング)している。海の哺乳類を解剖し研究することが仕事の著者が、解剖の仕事や海の生き物の不思議を紹介する。生物学者は何のために解剖をし、どのように体の中を観察するのか……。 科学を…

発達障害の夫が壊れかけた家族を再構築する―遠藤光太『僕は死なない子育てをする 発達障害と家族の物語』

あらすじ・概要 大学を出てすぐに若くして結婚し、子どもをもうけた著者。しかし強いうつ症状に襲われ、復帰と休職を繰り返してしまう。家族がばらばらになりそうな中、著者は自分が発達障害であることを知った。発達障害の特性を考えながら、家族を再構築し…

政治学者が学問的正論が通用しない「PTA」の世界で気づいたこと―岡田憲治『政治学者、PTA会長になる』

あらすじ・概要 政治学者・岡田憲治は他人からの強い推薦によってPTA会長になるが、そこは非効率、非論理的な活動に満ち溢れていた。会長としてPTAのスリム化を目指すが、そんな著者に反発する人も多く……。保護者による「自治」の中で、人間同士の政治を考え…

能の話より認知症の母の国際的介護問題のほうが面白い―梅若マドレーヌ『レバノンから来た能楽師の妻』

あらすじ・概要 レバノン内戦ゆえに故郷を離れ、学生をしていた著者はあるとき能楽師の息子と出会う。彼と結婚することになった著者は、能楽における古いしきたりや価値観に戸惑いつつも夫を支える。夫は著者とともに、新しい能楽のスタイルを表現するため活…

中国語を話せない台湾人が、中途半端な自分を肯定できるようになるまで―温又柔『「国語」から旅立って』

あらすじ・概要 日本で育った台湾人である著者は、長じるにつれ「台湾人なのに中国語を話せない自分」に悩むようになる。高校で中国語を学び、大学でも引き続き中国語を選択するが、その過程でも違和感がなくならなかった。「自分は自分」として著者が自分を…

あのころのインターネットと小説家の虚実入り混じる日常―乙一『小生物語』

あらすじ・概要 インターネットのHPで日記を書き始めた作家、乙一。しかしその内容はどんどん虚実入り混じるようになる。映画を見たり漫画を読んだりする日々や、同業者との交流の中に唐突に挟まるファンタジー要素。フィクションのようなノンフィクションの…

限界集落で共同生活を送るニートたちはなぜそこに集ったのか―石井あらた『「山奥ニート」やってます』

あらすじ・概要 とある限界集落。そこで共同生活を送るニートたちがいる。家事をし、最低限の労働をする以外は、アニメを見たりゲームをして暮らしている。ニートたちのリーダー格である著者が、その生活の日々と、「山奥ニート」が発生した由来、社会への思…