Primeリーディングで読んでいた一冊です。
あらすじ
同性愛者の八木裕太とパートナーの京太は、お互いを支え合うために「養子縁組」を使った同性婚を決意する。その顛末とは……。同性同士の養子縁組のしくみと、同性愛者の日常をつづったエッセイコミック。
七割のろけのエッセイコミック
この本は七割方のろけです。よって、他人ののろけに興味がない人には苦痛だと思います。
私自身はのろけが結構好きなので面白かったです。ラブラブな人を見るのは微笑ましいです。そしてのろけの後にありがちな、見る側への恋愛へのプレッシャーもない。ただ単にいちゃいちゃしているだけです。
幸せ自慢も、あっけらかんとしているとあまり気にならないものですね。
しかし、コミカルに描かれてはいるものの、いろいろ気を遣って生活しているんだな……。感じました。
たとえば指輪を付けていることに、同じ職場のパートの人からこういう声をかけられます。
「あら、八木さんって結婚してたの?」
「オレのほうが家事が得意だからうちのが正社員で稼いでるんです」
(ロケーション136)
この、嘘はついていないけれど核心には迫らない見事な受け答え、アドリブでやるのは難しそうです。
性的志向をオープンにしないということは彼らが決めたことですが、それでも、「めんどくさい!」って思うことはたくさんあるでしょうね。
描き方や語り口も、いろんな方面に気を遣ってシリアスになりすぎないように、それでいて嘘は描かないようにしている感じがします。
親子関係も、描き方が明るいから忘れがちなんですが、情報だけ見ていると結構えぐいです。
アウティング(同性愛者であることを勝手に話されること)の話とか、父親との関係とか、すごく大変そうです。
著者は気遣いの人なのかなあと思いました。
まとめ
七割方のろけ話だったけれど、日ごろ性的志向をオープンにしていない同性愛者が生活をどう乗り切っているのか知れたのは良かったです。
末永くお幸せに!