今日の更新は、うめ『イクメンと呼ばないで ニブンノイクジ』です。
あらすじ
漫画家のうめこと妹尾朝子と小沢高広。夫婦で漫画を描いているふたりに子どもができた。ふたりで五分五分の家事と育児をするうちに、「育児の世界」が女性中心に作られていることに気付く。
男性の育児へのハードルを感じる
家事も分担、仕事も(夫婦ペアの漫画家なので)分担、そして育児も分担という夫婦のコミックエッセイ。「育児参加」というより「共同育児」が正しい。
基本四コマ、八コマの構成で読みやすいです。
子育ての苦労を描きながら、描き方は淡々としていてとっつきやすかったです。
そして日常の切り取り方が粋で素敵でした。何気ないシーン、何気ない言葉ではあるのですが、それを最大限生かして面白くなっています。どういう工夫をしてこんな描き方ができるのか不思議です。
しかし男性が育児をするには、まだまだ社会的なハードルがあるんだなあと思います。男子トイレにおしめを変えるスペースがないとか、カーテンの仕切りしかないので授乳室に入りづらいとか。保育所の保護者会ではほとんどが女性で、ちょっと特別扱いをされる。
そういうハードルを減らすことで、女性の方も「ちょっとおむつ変えてきて」とか「
保護者会行けないから代わりに行ってきて」と気軽に言えるようになると思います。男だけのためじゃないんですよね。将来的に減らしていかなければならないですね。
そしてそういうハードルに対して、どこかクールに、冷静に見つめているところがよかったです。
著者は新人のころ、青年誌の編集者にこう言われます。
「育児漫画を描くような漫画家にはならないでね
育児漫画は女性漫画家の墓場だよ」
(P27)
しかしこの面白い育児漫画を読むと、「ぜんぜん墓場じゃないな!?」と思いました。これからもぜひ育児をテーマにした漫画を出してほしいです。
まとめ
面白かったです。現役パパママだけではなく、育児の世界に興味がある人にはおすすめです。
漫画としてクオリティが高い作品でした。