ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

王女と奴隷が愛と憎悪を持って殴り合う―宝塚歌劇団『金色の砂漠』

このブログには広告・アフィリエイトのリンクが含まれます。

金色の砂漠('17年花組・東京・千秋楽)

今日の更新は、宝塚歌劇団『金色の砂漠』千秋楽配信の感想です。

Twitterをなんとなく眺めているとあらすじがすごく好みな作品が流れてきたので見てみました。

 

あらすじ

王族が生まれたときに異性の奴隷をつける文化がある国。第一王女タルハーミネは、男きょうだいが生まれなかったため北の国の王子と結婚しなければならない。その奴隷であるギィは、タルハーミネに対して人に言えない感情を抱いていた……。

 

高慢×高慢なカップルの愛憎が最高

王女として誇り高く生きることに固執し、奴隷であるギィを憎からず思っていながら苛烈に扱うタルハーミネ。そして奴隷でありながら実はめちゃくちゃ生意気でタルハーミネを支配してやりたい願望があるギィ。

つまりこの作品は高慢×高慢なカップルの作品なんですよ。最高か?

お互いにマウントを取り合う関係であるがゆえに、愛を語るよりけんかしているシーンのほうがずっと多いです。やったー! 私憎悪カップル大好き!

顔のいいふたりが愛と憎悪の力で殴り合う(精神的に)んですよ。本当によかった。見てよかった……。

正直タルハーミネもギィも性格に問題がありまくりなんですが、同時に人を引き付けてやまない魅力があり、炎と炎が混じり合うような作品でした。

こんなふたりだからこそ普通の幸せが得られるはずはありません。ラストシーンであんな目に遭ったからこそ、あの一瞬だけお互いのことを許せたのかもしれませんね。

 

脇役もテンプレ的ではなく、キャラが立っているのがよかったですね。

第二王女ビルマーヤとその奴隷ジャーの切なくて優しい愛情はかわいかったですし、ビルマーヤの夫はいい人すぎてもっと幸せを味わってほしかった……となりました。

ちょい役の家庭教師ですら演技が上手くてびっくりしました。気合が入っているんだなあ。

「この人はこういうキャラクターですよ」と示すときに、説明的ではなく自然に頭に入ってくるところに脚本のうまさを感じます。

劇のシーンから歌へ変わるときも違和感がなくてするする見れました。

 

まとめ

 とにかくやばいので憎悪でつながる作品が好きな人には見てほしいです!

本当に見てよかったです。いい作品を見ると心が潤いますね!