あらすじ・概要
主人公、梨果は恋人の健吾に部屋から出ていかれた。健吾が好きすぎる梨果はそのまま部屋に住み続けていたが、ある日突然健吾の思い人の華子が転がり込んでくる。なし崩しで同居し始めたふたりだったが、華子はするりと梨果の日常に入り込んでしまう。三人は奇妙な三角関係を作り出した。
自己の内面を言語化しない人たちの集まり
ふわふわした人々がふわふわした感情を語りながらふわふわした行動をとって破滅していきました。登場人物よ、なぜきみたちはきちんと己の内面を言語化し、破滅へと向かう関係を清算できないんですか?
ふられたのにいつまでも前の男を思って同棲していた部屋に住み続ける主人公もそうだし、そこに飛び込んでくる華子もけむを撒くような行動を繰り返してよくわからない。その、よくわからない同居人に対して、主人公もふわふわした態度を取り続ける。
コップからこぼれた水を拭くこともせず「あー……」っていう表情で眺めている人、たまにいるじゃないですか。周囲から「拭きなよ」と言われるまで拭かない。ああいう人を見ているときのいらいらに近いです。
何だかこういうふわっとした話を「共感できる」と思える人種は私にとっては異文化ですね……。いや、そういう人に悪意はないんですけど、ただただ異文化。
香港に住む主人公の友人、涼子が主張のはっきりした、倫理観のあるキャラクターだったのが唯一の救いでした。もうこの人しか信頼できそうなキャラがいません。
涼子にはこんなわけのわからん三角関係を放っておいて幸せになってほしいです。