ブックワームのひとりごと

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アトピーの子どもと暮らして追い詰められる夫婦―キム・チュンヒ『パパ、かいい!』

パパ、かいい (クオンコミックシリーズ)

 

あらすじ・概要

売れない漫画家である著者は、外で働いている妻の代わりに家事を引き受け、アトピー性皮膚炎の娘を育てている。四六時中かゆさで騒ぎ続け、夜中もかいてやらないと眠れない娘に、夫婦は疲労していく。健康食品や自然療法を次々に試しても、娘はよくならず……。

 

アトピーの子どもと暮らす困難

アトピーにはそこまで関心がなかったんですが、韓国のコミックエッセイは珍しいなと思って手に取りました。 

 

私はあまり健康食品だの自然療法だのを信じていませんが、この作品はそういうものに頼ってしまいたくなる心理を丁寧に描いていました。

常にかゆがる娘にノイローゼになりつつも、何とか治してやりたい、楽にしてやりたいという一心で、夫婦は食品やローション、自然療法を試します。病気を持つ子どもを育てる苦しみと、子ども自身への愛情で追い詰められているのです。

作中の医者は自然療法に否定的で、私も同意見なんですが、だからと言って著者夫婦の心理状態は、責められないものですよね。

 

主人公である著者が自分のだめなところも書いているところが誠実でいいですね。外で稼いでいる妻にコンプレックスがあったり、家でひたすら子どもの面倒を見ていることに疲弊したり。それでもちゃんと娘のことは大事に思っています。

 

義母が病気の治癒祈願を巫女に依頼しようとするシーンや、民間療法などは韓国の文化を感じて面白かったです。

あと案外日本が引き合いに出されているところが興味深いですね。距離的に近いのもあるけれど、医療が進んだ国というイメージがあるのかな。

 

書かれている治療法は眉唾なんですが、病気を抱えた子どもと暮らす親の苦労を描いた作品としては秀逸だと思います。

パパ、かいい (クオンコミックシリーズ)

パパ、かいい (クオンコミックシリーズ)