あらすじ・概要
賞金稼ぎの生活に戻ったミソギは、ある日「本物の死神」木蓮に出会う。彼女はミソギが死神もどきの稼業を始める前に、魂を地獄へ送っていたという。しかし彼女は、「地獄をなくす」と言い出して……。一方フィリスとアッシュは、「ポレヴィーク」という謎の武器を追って東凶にやってきていた。
男女間の巨大感情が生まれつつある
前巻の感想はこちら。
本編には全然関係ないんですけど、この本を紙で買ってコーヒーを盛大にこぼしだめにしてしまって落ち込んでしばらく続きを読めていませんでした。電子で買い直しました。
それはともかく。
今回はアッシュとフィリスの間に愛とも友情とも共犯ともとれる巨大感情が生まれ始めているのがよかったです。
狂気に囚われていたアッシュが正気に戻り、目的を得て歩き出そうとする姿と、ストックホルム症候群めいていると自覚しながらも彼の行く末を見てみたいと思うフィリス。ふたりの会話がいちいちエモーショナルで最高。
今後恋愛に発展するのか、そうでないのかはわからないんですけれど、著者ならどちらにせようまく料理してくれそうな気がします。
そして今回のゲストキャラ、マジヤバ女の「本物の死神」木蓮もいいキャラをしていました。
やってることは東凶をめちゃくちゃにしているんですが、その裏にある人間離れした愛の深さ、それゆえのからっぽさを目にするとどうにも憎めなくなります。
前巻のキャラも近況がわかる程度に登場してくれてうれしかったです。まあ、元気じゃなさそうな人もいますが……。
オチで東京の在り方がかなり変わってしまって、これからどうなるの? という感じです。事件自体はオチていますが続きは気になります。
ここで終わっても投げっぱなしではないですが、もろもろの関係性の結末が知りたいから頑張って続いてほしい……。