あらすじ・概要
子どものころからの付き合いであるビリーとパディ、アーチ―、サムの四人組。独身だったビリーが若い恋人と結婚することになり、四人はラスベガスに挙式のために集まった。バチェラー・パーティ=独身最後のばか騒ぎをするために、四人はラスベガスに繰り出して遊ぼうとする。
上品に老いの哀しみと喜びを語る映画
あらすじを見て「めちゃくちゃ男に都合良く女と遊びまわるムービーだったらどうしよう」と思ったんですが、ふたを開けてみると非常に上品な作品でした。
いや、「独身最後のばか騒ぎ」というテーマなので、下ネタや性的なネタはどうしても入ってくるんですが、ちゃんと下品になりすぎないように工夫されているんですよね。
特に伝えたいのは女性の描き方。男性陣がパーティに参加して、女といちゃいちゃするシーンがあるし、旅の中で出会った女性といい感じになるシーンもあります。しかし、それが過度に嫌らしくないんです。
登場する女性陣は、嫌なことがあればはっきり断るし、主人公たちをむやみやたらにちやほやすることもない。いい感じになっても、彼女ら自身の意思でそうしてるのだとわかってストレスになりません。
それから明るくユーモアにあふれた作品の裏に流れる、老いの哀しみもいいんですよね。病気をきっかけに、息子に子どものように過保護にされたり、妻と死に別れた過去があったり。年を取ることによるやりきれなさが、コメディの中に自然に差し込まれています。
楽しいけれど楽しいだけにしない、少しの寂しさも加えた雰囲気がとても上品なんですよ。
老いるのは悲しいことです。だけど老いたからと言って、新しい幸せが得られないわけではありません。年を取ることに前向きになれそうな素敵な映画でした。