ブックワームのひとりごと

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子どもは守られるべきものだが戦わなければいけないときもある―小花美穂『こどものおもちゃ』

こどものおもちゃ 1 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

 

あらすじ・概要

子役の小学生、紗南の目下の悩みはクラスが学級崩壊を起こしていることだった。その中心にいるのはガキ大将の羽山。紗南は羽山と対決し、荒れた学級を元に戻そうとする。しかし羽山自身も、家庭に問題を抱えていた。羽山は明るく前向きな紗南に惹かれ始めるが……。

 

守られるべき子どもの戦いを描く

久しぶりに読み返してみたんですが、思ったよりも楽しめました。

まずいいところは、メインの大人キャラクターである母・実沙子、マネージャーの玲が「子どもは守られるべきもの」として行動しているところなんですよね。悪いことをしたら叱ったり、紗南のために仕事を断ったり、ちゃんと大人の役割を果たしています。

 

一方で、守られるだけでは足らず、思春期の子どもには自分だけで戦い乗り越えなければいけない問題があるのも事実なんですよね。今となってはしょうもない人間関係で悩んだり、友達に気を使ったり、無力さに打ちのめされたり。

そういう「守られているけれど、戦わなければいけないときもある」という塩梅が優しくも厳しくてよかったです。

 

それから羽山がけがをしたシーンで、「これは罰」と考えていたことも印象的でした。徹底的にクラスを荒らし、非行少年だった彼が、自分のやったことの重さに気づきました。それを完全に清算することはできませんが、背負って生きていく覚悟を決めた羽山はかっこよかったです。

 

一方で、セクハラ表現がある、差別的な表現があるなど但し書きをつけて読んだ方がいい部分もあります。今の時代にそのまま持ってくることはできないでしょう。

それでも当時としては先進的だったんだな、と思える作品でした。