あらすじ・概要
中学生で漫画を投稿していた著者は、高校生になってプロの漫画家のアシスタントとして呼ばれることとなる。そこは締め切りぎりぎりの中漫画家とアシスタントが原稿を書き続ける「シュラバ」だった。有名漫画家との思い出とともに、つらくも美しい青春を描き出す。
同世代の女の子たちが創作活動するの楽しいよね
せ、青春だ~!!
同世代の女の子たちと眠気覚ましもかねて雑談をし、手では原稿を書き続ける。三日も徹夜して24時間寝る。夜中に怪談話で盛り上がる……。
今と労働基準法にひっかかりそうでだめだし、ちゃんと最後に「今の人は真似しないで」と述べられているんですが、それでもその当時シュラバに参加していた人はすごく楽しかったんでしょうね。画面中から楽しさがあふれてきています。
そりゃ同世代の女の子と創作活動をしながら、たわいない話をしたり雑魚寝をしたりするのは楽しいに決まっています。頭に「過労死」の文字がよぎりますが……。
あの頃の漫画家が無理をしていた理由が少しわかった気がします。
著者自身も漫画家としてデビューはしていますが、あまり有名にはなれず、引退しています。その後コミティアに参加し、出版社に声をかけられたそうな。
しかしブームの渦中にいた作家ではなく、アシスタントとしての視点だからこそこの作品は面白いと思います。
アシスタントから見た漫画家の世界、精神力と体力を削りながら何かを作り続けるその姿は、とても魅力的に見えます。
繰り返しになりますが今の漫画家は真似しないほうがいいです。しかしその時代にしかないきらめきがここにありました。
徹頭徹尾熱いコミックエッセイでした。楽しかった!