ブックワームのひとりごと

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少年少女が時間の不思議に巻き込まれる短編集―古橋秀之『ある日、爆弾がおちてきて【新装版】』

ある日、爆弾がおちてきて 【新装版】 (メディアワークス文庫)

 

あらすじ・概要

浪人生の前に現れたのは、高校時代好意を持っていた女の子だった。彼女は自分が爆弾だと名乗り、主人公とデートをしてドキドキしようとするが……。表題作ほか、精神だけ時間を遡る奇病、図書館にいる小さな神様、窓に映った違う時間軸の少女など、時間SFと少年少女を描いた短編集。

 

女の子と少年の時間SF短編集

久しぶりに読み返したんですがやっぱり面白いですね。すごく堅実に「いい話だったなあ」と思える。

最初に読んだときは学生だったので、細かい設定を理解できなかった部分がありましたが、大人になって読むと「あああそこはこういうことだったんだな」と気づくことができました。

しかし少年少女と時間SFでここまでの種類の話が書けるのは引き出しが多すぎて感動します。

 

好きな作品は「三時間目のまどか」です。窓に映る六年前の少女と筆談や手話で会話をする話。窓でつながるボーイミーツガールがロマンチックだし、オチの小粋な展開も最高。

 

表題作と対になっている「むかし、爆弾がおちてきて」もよかったです。少年が強い好奇心と憧れによって(ある意味)時間を超えるのが面白いです。周囲から見ればおかしい行動だろうけれど、物語の中ではすごく魅力的に見えます。

 

新装版向け書き下ろしは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のパロディで笑いました。デロリアンをでかい家の中でダッシュすることに置き換える発想がすごいです。この作品だけ主人公はおっさん。

 

昔の作品なので今となっては古くなってしまった部分はありますが、それでも面白かったです。