あらすじ・概要
イラストレーターふたりのユニットスタジオクゥは、温泉浴衣にほれ込み、面白い柄の温泉浴衣を探して各地を巡ることにした。文字、動物、人物など、さまざまな題材で描かれた温泉浴衣の柄を紹介しつつ、各地の温泉地の見どころを見ていく。そこにはその土地ならではの文化があった。
知的好奇心を満たしてくれるコミックエッセイ
すごく面白かったです。こういう出会いがあるから読書はやめられないですね。
まず「温泉浴衣」というテーマが旅行漫画として画期的だし、なおかつ著者たちが本当に温泉浴衣に興味を持って調べていることがわかるので、その時点で100点になってしまいます。
調べるといってもただ情報の目立つところをさらうのではなく、自分の足で歩いて図書館で調べて……ときちんと労力を払って調査を行っています。
だから読み物としてボリュームがあり、じっくり楽しめます。
旅行の描写もおしゃれだったり有名だったりする場所に行くというより、著者たちが「面白そう」「興味がある」と思った場所に行くというところが好感度高いです。古いキャバレーだったりちんどん屋のお祭りだったり。この本ならではの情報がいっぱい詰まっているので、どこを読んでも中だるみするようなところはありません。
著者たちはその土地で出会った人々と積極的にコミュニケーションを取り、話を聞いていきます。私はなかなか知らない人とうまく話せないたちなのでうらやましいです。でもコミュニケーション得意な人がいろいろ聞いて作品に残してくれると情報が得られて助かります。
全力で知的好奇心を肯定してくれるような作品で、わくわくしながら読みました。おすすめの本です。
ところで、「スタジオクゥ」と「スタジオクウ」の表記が混じってるんですが、どちらが正式なんでしょうか。