ブックワームのひとりごと

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ひとり身イラストレーターのズボラで情けない日々―フカザワナオコ『毎日がおひとりさま。―お気楽独身三十路ライフ』

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毎日がおひとりさま。―ゆるゆる独身三十路ライフ

 

あらすじ・概要

イラストレーターである著者は、30代ひとり暮らし、独身。結婚したい、恋人がほしいと思いながらも、出会いのない日々を過ごしている。ズボラで情けない、でもこの今の人生も嫌いじゃない。独身女性の日常を描いたコミックエッセイ。

 

迷いながらも今を肯定する話

Kindle Unlimitedでシリーズ3冊まとめて配信されていたので読んでいました。

 

タイトルから自虐的な話かと思ったら、思ったよりも前向きで明るい話でした。いや、モテないこととか、だらしないこととか、自虐要素はあるんですけれど、最終的には「こんな自分でもいいかあ~」と受容していく展開になるところがよかったです。

結婚しなくてもいい、ひとりが好き、と断言できる人はそれはそれでいいと思うんですが、結婚したいしひとりはさみしい、という自分の心を認めながら、「でも今の自分がそれほど嫌いじゃない」と言えるのはそれはそれで強いです。

実際のところ悩みがきれいさっぱりなくなることはなく、何かしら葛藤を抱えて生きていくものですよね。「葛藤している己」を否定せず、今は今で悪くないと言える人生はうらやましいです。

 

エッセイのネタ自体もユーモラスかつ共感できるものでおもしろかったです。ひとり身に対する何気ない言葉に傷ついたり怒ったり。でも相手が悪気がないのわかるから強く言えなかったり……。

母親とのエピソードも、愛を感じつつも笑えました。母親なりに心配しているんだろうけれど、それはそれとして発言はおかしい。

 

ひとつひとつは何気ない話ではあるんですが、作者の「迷いながらでも今を肯定したい」という気持ちを感じて元気が出ました。